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今日もいつもの通り、神山から弁当を受け取り家を出る。そういえば、最近全然アレをしていない。すっかり忘れていたが神山にとっては重要なことなはず。
コンビニの前で立ち止まり俺を見上げる神山に、煙草の箱を見せれば納得し足を進める。そんな神山を追いかけつつ聞いてみる。
「なぁ、アレ、ええの」
「ん?あれ?」
「いや、あの、お兄さん、もうええの」
「…あ、あぁ」
「最近無いなぁ思うて」
こちらからこんなことを聞くのは、まるで自分からやりたいと言っているかのようで正直気が引けたが、この同居の原因であるから放置しておくわけにもいかない。
「最近は、来てへん」
「そうなん?ならもう大丈」
「いや、でもっ」
「…あ、おん」
「たまに、来るから…不定期で」
「ふぅん」
少しずつ信じ始めてるってところか。さすがに何もない男二人が同じ家から出てきて手繋ぐなんて有り得へんし。まぁもう暫くしたら本当に信じてくれるだろう。
しかしそんな考えに至ったところで、1つ引っかかる。もしお兄さんが来なくなったら、この同居生活は終わるのだろうか。一緒に住む理由が無くなれば、そそくさと荷物をまとめて1人暮らしを再開してしまうのだろうか。
もしそうなったら、どうなる。
食生活はもちろん以前同様コンビニで済まし、お弁当だって無くなる。夜寝る時も、朝起きる時も1人で。台所に立つあの後ろ姿も、二つ並んだツナギも、歯ブラシも、全部無くなってしまうのか。
胸がぎゅっと締め付けられる。今までには感じたことの無い、寂しいような、何か失うような感覚。親と別れたり、友達と別れたり、彼女と別れたりした時とは違う。
自分らしくなくて、必死に頭から消そうとするが、なかなか簡単にはいかない。歩いている間、隣の神山を意識せずにはいられなかった。核心に触れることなど当然出来ないまま目的地に着いてしまった。
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くすみピンク(プロフ) - ほのかさん» ほのかさん、ありがとうございます!時差がありますが以前もありがとうございました<(_ _)> ずっと応援していただけて本当に嬉しいです!ぜひこれからもよろしくお願いします(´˘`*) (2018年2月6日 16時) (レス) id: 95e4c10c3b (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 初コメ失礼します。移行おめでとうございます!ずっと前からお話を拝見させていただいてました。本当に大好きで又お話を書いてくだっさって嬉しいです(*^_^*)更新頑張ってください(^o^) (2018年2月4日 17時) (レス) id: da2d0b67d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くすみピンク | 作成日時:2018年2月4日 13時