43 ページ18
.
意外に自然と暮らせている。
頭のどこかにはあの事があるのだが、いざ神山を前にすると割といつもの調子が戻ってくるのだ。
アイツが嫌味を言ってきたりちょっかいを出して来たりすれば、それを全てやり返してやる。それで気が紛れる。初めて有難いと思った。
その日もいつものように、神山の弁当を持って現場に行き、渋谷さん田宮さんとお昼を食べて午後からの仕事をしていた。
すると何の役職か把握していないが、社員の偉い系の人に、別の方でのヘルプを頼まれた。2、3人必要だったらしく、他の人と俺が声をかけられた。きっとたまたま声を掛けやすい所に居たのだろう。
週5日ペースの仕事が、臨時で入ったことで今週は7回も仕事に行くはめになった。しかも2回のうちの1回は、いつもの所が終わってからだ。夜だけヘルプ?ふざけんな。身体もたへんっちゅうねん。
しかし勢いで出来ますなどと引き受けてしまった仕事。今になってやっぱり出来ませんなどと言えるわけがない。
その日は弁当を2つ持って家を出た。
ちょっとおかず変えてやった、と物凄いドヤ顔で感謝しろという視線を向けられたため、素直にありがとうと言って受け取った。
いつもの仕事が終わると、3人と別れて別の現場へハシゴした。夜の弁当はご飯が炒飯だった。
そこから約3時間働き、解散したのは10時前だった。ヘトヘトになった身体で家路につく。煙草を咥えながら、1秒でも早く温かい空間へ到着すべくパンパンになった足を進めた。きっと今日はお湯を沸かしているはずだ。凄く寒い日だけお湯を張るという曖昧過ぎるルールがある。きっと今日はそれに該当する日だ。
「ただいまー」
いつもの返事が返ってこなかった。
風呂にでも入ってるのかと思ったが、テレビを見て笑う神山がそこにいた。
もう一度ただいまと言えば、やっとこちらに気づいた。
「は?!お前何して…」
真っ赤な顔に、トロンとした目。
机には空になった缶が4本転がっていた。
一体何が起こったのか、理解するのに少し時間がかかった。
あの日から、4人で飲んだ日から、決して飲まないと言っていたのに。どうして。
とりあえず転がった缶を回収して流しに置く。食べかけの皿も運んで片付けようとしたが、それを制したのは神山だった。
俺の腕を引っ張って離さない。
めんどくさいなぁと思いながらも、振り払うことも出来ず、とりあえず皿を置いた。
.
385人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くすみピンク(プロフ) - ほのかさん» ほのかさん、ありがとうございます!時差がありますが以前もありがとうございました<(_ _)> ずっと応援していただけて本当に嬉しいです!ぜひこれからもよろしくお願いします(´˘`*) (2018年2月6日 16時) (レス) id: 95e4c10c3b (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 初コメ失礼します。移行おめでとうございます!ずっと前からお話を拝見させていただいてました。本当に大好きで又お話を書いてくだっさって嬉しいです(*^_^*)更新頑張ってください(^o^) (2018年2月4日 17時) (レス) id: da2d0b67d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くすみピンク | 作成日時:2018年2月4日 13時