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「流星、はよ行こうやぁ」
「ちょ、ちょっと、待ってや〜とも〜」
「も〜、しゃあないなぁ」
「ごめんごめん」
「なら今度、なんか買って欲しいなぁ」
「うん、ええよ」
わざわざ大きな声でこんな演技をしているのには理由がある。
先週の土曜日、夕方になって家に帰ってきた神山が、突然俺の目の前に正座をしてきた。そのまま真顔で見つめられ、ちょっと怖気づいていたが、そんなことお構い無しに神山が口を開いた。
「さっきお兄さんに話しかけられてん」
「…えっ、あの?」
「おん」
「で?なんて?」
「ホンマに君ゲイなん?って耳にタコが出来る程言われてきた」
「全然諦めてへんやん」
「おん、ちょっと今のままではやばい。そんで、相談がある」
神山の相談というのは、相談と言えるものではなく、決行する作戦を俺に覚えさせているだけだったが。
神山の圧に負けたのと、自分に特に害が無いのと、これ以外にコイツを救う方法が今のところ無いということ、それらが俺を頷かせる立派な要因だった。
作戦内容は、要するに恋人ごっこだった。
今まではただ一緒に住んでいるだけで、恋人らしい素振りは勿論何もしていなかった。たしかに付き合っているとは信じられないだろう。
正直キツいものはあるが、ここに住まわせることを許したからには途中で放棄は出来ない。神山の提示する内容をひたすら受け入れ、何度か実行した。
急にラブラブな雰囲気を醸し出しても不審がられるだけだと、最初はちょっとしたことからスタートした。話し方を変えて、できるだけ顔を見て話をする。歩く時も変な距離をあけず寄り添って、一度頭を撫でてみたりもした。
もちろん、玄関を出てから職場に着くまでの数十分間限定のことである。
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くすみピンク(プロフ) - ウルフさん» コメントありがとうございます!!しょりそう大好きです!!行き過ぎて小説アップしたので、ぜひ見てみて下さい(*´艸`) (2018年5月3日 22時) (レス) id: 95e4c10c3b (このIDを非表示/違反報告)
ウルフ(プロフ) - しょりそう好きなんですか!?私もです!やっぱり勝利くんは攻めじゃないと・・・((殴 (2018年4月3日 17時) (レス) id: c751a453ea (このIDを非表示/違反報告)
くすみピンク(プロフ) - ペンギンさん» 以前から読んでくださっていたんですね(T_T) ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!更新楽しみにしていてください(´∀`) (2018年1月26日 13時) (レス) id: 95e4c10c3b (このIDを非表示/違反報告)
くすみピンク(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!待っていてくださった方がいること、本当に本当に嬉しいです(T_T) またお話の件ありがとうございます!抜けてました(汗) 今後も何かミスがあったら教えていただけると嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年1月26日 12時) (レス) id: 95e4c10c3b (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - こんばんは!再開ありがとうございます!また作者様の作品を読むことが出来、本当に嬉しいです♪りゅかみちゃんがこれからどうなっていくのか楽しみで仕方ありません!これからも更新頑張って下さい♪ずっと応援しています! (2018年1月25日 3時) (レス) id: c34058457d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くすみピンク | 作成日時:2018年1月11日 13時