恋を知らない君に、僕が恋を教えよう。【無性愛者と幼馴染の恋物語】

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｢ならな、頑張りや？｣









重との別れ際、いつものように頭ポンポンってすると、可愛い顔で、おん！って。









｢神ちゃんもな？｣









そう言ってサッカー部の部室の方へ走って行った。









可愛い可愛い重に満たされて、最高潮に顔がにやけたまま、俺も野球部の部室に向かうことにした。









× × × ×









のんちゃんが部活始まるギリギリにやって来て、トレーニングが始まり、あっという間に一時間半が経った。









泥だらけのユニフォームのまま部室に向かって歩いてると、後ろからなかなかの勢いでぶつかられた、と言うか、抱きつかれた。









｢ぐはっ｣









｢かーみちゃん？｣









｢んもぉ、のんちゃんはぁ！｣









言うまでもなく、そんなことしてくるんはのんちゃんただ一人。









いつもならそこで会話終了、適当に流してさっさと着替えにいくとこやねんけど、ちょっと今日はこのままのんちゃん帰すわけにいかんから。









｢なぁ、のんちゃん？｣









｢ん？｣









なんかあった？とでも言いたげな顔で、全く心当たりが無いみたい。








｢…大丈夫？｣









｢え、大丈夫て、なにが？｣









のんちゃんはこない鈍感な人ちゃう、100％何かかんかは心当たりあるはず。









でもそこを敢えて知らんふりして返してきたから、聞かれたくないことなんやろな、って。









｢…いや、さっきギリギリに来てコーチに呼ばれてたから｣









｢あぁ、適当にあしらっといたから大丈夫やで｣









いつもみたいな嘘の無い笑顔でそう答えるから。









そっとしとくか。









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