恋を知らない君に、僕が恋を教えよう。【無性愛者と幼馴染の恋物語】

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「おはよ」









「おはよぉ、神ちゃん」









家を出ると、ちょうど重も玄関を出たばっかりやったみたいで、俺ん家に向かって歩いてきてた。









「今日ちょっと寒いな」









「おん、めっちゃ寒ぃ〜」









そんないつも通りの会話してたら、自然と笑いが込み上げてきて、ほのぼのした気持ちになった。









今朝会うん、緊張しとって不安やったけど、案外会ったら普通で、たぶんそれは重も一緒で。









「重、あんさ…」









「あのっ、さ…そのことやねんけど…」









「…お、おん」









昨日のこと言おうとしたら、重に遮られて。









「…俺な、白川さんと」









白川さんと？え？









付き合うとか言うんやめてや？ほんまに、え？









「…白川さんと、付き合うん、断ることにした」









「ぁ、おん、…おんっ」









びっくりしたぁ、なんやねんほんまに、焦って手汗やばいねんけど。









「昨日な、考えてんけど、やっぱ好きちゃうのに付き合うんは失礼や思って」









「…おん、そうやな」









「でもやっぱ神ちゃんには、教えて、欲しいねん」









さっきより小さな声のボリュームで上目がちに聞いてきた重に、咄嗟に安心させてあげるための精一杯の笑顔を向けた。









「おん、ええよ。俺なりに出来ることしてみる」









「…ありがとう」









こうして俺らの恋愛授業が始まった。









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