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流星からの一言に食道へ行く予定だったコーヒーが進路変更した


「…俺より年下とかキモいって思ったでしょ?」


屋上の柵に腕を乗せたままの流星は
予想とは逆に嬉しそうに笑った


「いや、姉さんのそういう話
聞いたことなかったから」


ゆっくりと流れていく雲を見ながら
忙しなかった過去を想起した


暗闇の中流星の帽子を被った青年は
血を流して横たわっていて


少しでも互いの時間軸のズレがあれば
私たちは出会えなかったかもしれないという


人間の儚さに最初は惹かれたのだと思う


そして6年間自分の目的がバレないように
慎重に生きてきた私はどこか本音を出せる


安心できる存在が欲しかったのだと思う


“……私を癒すこと”


“…はい?”


無意識に頬が濡れた


私から出た言葉は感情は彼にどう映っていたのか


その答えはわからないが
大きな手が私の頬を温めた


“ふはは、任せて


得意分野やわ”


彼はただ優しかった


互いにいつ死ぬかもしれない世界で生きて


互いに“本音を出せる仲”になれたと思う


だけど私たちは“協力者”でこの任務が終わったら終わる関係で


お互いに恋人のラインのギリギリを保っていた


だけど“中間淳太”と食事に行った日


これ以上の同居は望に危険が及ぶと判断した流星は
私にレストランで同居解消の連絡をした


“…これ”


胸のところに挟んであった紙を望が開いて
泣いてくれた


今日が最後の夜になる


私たちはもう戻れないところまで好きになっていたと気づいた


一度知ってしまった気持ちは0にすることは出来ないのだ


“今日をさ……一番幸せな日にしよう?”


そうして最後の夜は望と出会ってから
一番悲しくて一番幸せな日となった









「あのドレスの購入履歴とレストランで使われた
クレジットカード調べてんけど


やっぱり名義は“濱田崇裕”やったわ」


経理担当だったため
会社のお金の使用者、引き落とし先など
すべて調べることができたが


“中間淳太”という名前は一度も見かけたことはなかった


「“濱田崇裕”は利用されてたんやと思うわ」


流星によると濱田さんは黙秘を続けているらしい


2人の間にどんな過去があったのか
誰も知ることは出来ない

walk through my life→←cheat you



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sana(プロフ) - れんにゅうさん» ありがとうございます!マイペースに更新してますが良かったら見守ってください! (2020年11月16日 1時) (レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
れんにゅう(プロフ) - 一番更新を楽しみにしてる作品です!応援してます! (2020年11月13日 6時) (レス) id: 310c7553b6 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - みりんさん» 感想ありがとうございます!マイペースですが完結できるように頑張ります( ^∀^) (2020年10月26日 22時) (レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - めちゃくちゃ好きな作品です!!!!!切ないのになんでか心がふわっと温まるようなお話です。無理せず完結に向けて更新頑張ってください(^^) (2020年10月20日 23時) (レス) id: e6029a3436 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sana | 作成日時:2020年10月20日 20時

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