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「協力者…」


「公安は身分を隠して捜査するので
一般の人に協力してもらうことがあるのですが


私たちが追っていた“中間淳太”を調べるため
彼女に協力してもらっていました」


「……なんで」


疑問が溢れて何から聞いたらいいか分からない俺に
男は一枚の紙を差し出した


「藤井Aはあなたを助けるために
協力者になってくれました」


差し出された紙には中学に見ていた字より
少し大人びた字だった









“中学の時親の都合で兵庫に転勤して
もともと東京育ちだった私は
調子に乗ってるだの適当な理由で女子から無視された

誰も私に話しかける人がいない中
唯一友達になってくれたのが重岡だった

両親の仲が悪くて友達も出来なくて
精神的に苦痛な時に

支えてくれた笑わせてくれた
重岡が大好きだった

母についていくことになって
私は“小瀧”として東京で生きた

そこから重岡と会うことはなかったけど
東京の大学に進学して
たまたま同じ中学の子と再会し
重岡が悪い世界で働き出したことを知った

当時の重岡から想像できなくて
何かの間違いだと思って大阪で重岡を探した

重岡は何も変わってなくて
あの頃からずっと少年で優しくて
彼は絶対悪い世界で生きるべきじゃないと思って
彼の世界で生きて彼を助けることを計画した”









あの時の再会は運命かと思ったけど


「全部計算やったんか」





“なー藤井”


“あのさ…下の名前で呼んでくれないかな?”


“え…”


“あ…えっと…もしかしたら小瀧に変わるかもしれないから
それなら…変わらない名前の方が…楽かなって”


“小瀧”に聞き覚えがあったのはあの時のせいか


少しの違和感が繋がってモヤが晴れていく
何も知らないと思っていた少女は
いつの間にか強い女性になっていた





「守られてたのは俺の方やったんや」


「…Aはあなたに救われたから


守りたいって思ったんだと思いますよ」


目の前の堅物な男はふわりと笑った


それは以前彼女を抱き止めた時の優しい笑みだった

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sana(プロフ) - れんにゅうさん» ありがとうございます!マイペースに更新してますが良かったら見守ってください! (2020年11月16日 1時) (レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
れんにゅう(プロフ) - 一番更新を楽しみにしてる作品です!応援してます! (2020年11月13日 6時) (レス) id: 310c7553b6 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - みりんさん» 感想ありがとうございます!マイペースですが完結できるように頑張ります( ^∀^) (2020年10月26日 22時) (レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - めちゃくちゃ好きな作品です!!!!!切ないのになんでか心がふわっと温まるようなお話です。無理せず完結に向けて更新頑張ってください(^^) (2020年10月20日 23時) (レス) id: e6029a3436 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sana | 作成日時:2020年10月20日 20時

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