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無我夢中で走った
次はない
あいつが死ぬことより
濱ちゃんにバレることの方が
怖い
“あっ……”
ただのアスファルトでこけて
手から血が出て
前撃ったやつより
今撃ったやつより
全然流れてないのに
痛い
怖い
もう
俺は
偶然Aさんが通り掛かった
真っ暗闇に溶け込んだ俺に
真っ白な彼女は気がつかない
隣に生きているのに
同じ世界に生きているのに
全然違う
俺は普通じゃなくなった
ぼろぼろのまましげの待つ家に帰ったら
“神ちゃん…！！！
めっちゃ血出てるやん”
緊迫した表情で心配してくれて
俺はそんな心配してもらえるような
人間じゃないのに
生きていていい人間じゃないのに
心の痛みと人からの優しさの格差に
なんでか涙が止まらなかった
だけどもう戻れない
“へぇ…チューベローズもあるんですね”
チューベローズ
危険な楽しみ
この場での薬の隠語
“じゃあこれとかどうです？”
ジニア
注意を怠るな
若干顔を顰める彼女を見て
賢い彼女なら分かったはず
…あなたはこれ以上知ってはいけない
あなたはまだ普通でいられる
“…チューベローズを手渡しで”
その言葉を知っているこの男は
きっと誰かにこっちへ引っ張られた
アホなやつ
“どれくらい？こんくらい？”
心の中で目の前の男を見下しながら
ひと束にした草のままの薬を差し出して
“うん、十分だわ”
男は右の口角を上げて
すぐに帰って行って
そのあと濱ちゃんがやってきた
“神ちゃん〜ご依頼ですよぉ”
柔らかな口調とは真逆の恐ろしい依頼に
表情を変えないので精一杯だった
Aさんを濱ちゃんのもとへ連れて行く
それはしげを裏切る行為
やけど…ごめん…
淳太からのお願い
『家族』のお願いは断れんのや
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sana(プロフ) - れんにゅうさん» ありがとうございます！マイペースに更新してますが良かったら見守ってください！ (2020年11月16日 1時) (
レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
れんにゅう(プロフ) - 一番更新を楽しみにしてる作品です！応援してます！ (2020年11月13日 6時) (レス) id: 310c7553b6 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - みりんさん» 感想ありがとうございます！マイペースですが完結できるように頑張ります( ＾∀＾) (2020年10月26日 22時) (レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - めちゃくちゃ好きな作品です！！！！！切ないのになんでか心がふわっと温まるようなお話です。無理せず完結に向けて更新頑張ってください(^^) (2020年10月20日 23時) (レス) id: e6029a3436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sana | 作成日時：2020年10月20日 20時
