tell me how to cook ページ35
「ただいま」
望「おかえり、早かったな」
えらいえらい、と小さい子を褒めるように
ぐしゃぐしゃと私を撫でた
「ねぇ、料理教えて」
望「ええけど…なんかあるん？」
「お隣さんにお世話になったからお礼」
望「じゃあ今日唐揚げ作るからおいで」
「小瀧家の味覚えよー」
望「……そうやな」
初めて二人で調理場に立って料理をした
エプロン姿で『頑張るぞ、おー』なんて言うから
まるで幼稚園の先生みたいだった
隣で真剣に油と睨めっこする彼はとても絵になって
思わず味付けするのを忘れて見入ってしまった
「出来た！」
望「味見」
「いつも作ってるレシピでしょ？」
望「Aが作ったから特別やで」
自分で言ったくせに照れながら笑って
私は彼につられて笑った
望「これ持ってくん？」
「神山さん…いっつも朝帰ってくるんだよね
一応行ってみる」
出来立ての唐揚げを５つタッパーに入れて
隣の家のチャイムを鳴らした
だけど予想した通り神山さんはいなくて
神山さんにいるかどうか朝確認すればよかったと後悔した
望「お隣さん仲ええの？」
「朝会うくらいだけど…
一人暮らしの時よくお裾分けくれたんだよね
仕事がレストランみたいでその残りらしいけど」
神山さんは朝方眠そうに帰ってきた時
ちょうど私が出る時間
髪も金の彼と黒の私で
完全に真逆の世界の人間だった
望「じゃあ今度のご飯そこ行ってみる？」
「『俺裏方で会えへんからこんでええよ』って」
望「今のモノマネ？」
「…本人知らないからなんとも言えないね」
望「いつか会って話したいわぁ」
結局その日から私が神山さんと遭遇することは一度もなかった
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sana(プロフ) - みりんさん» 感想ありがとうございます！マイペースに頑張ります( ＾∀＾) (2020年10月17日 0時) (
レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて心がほっこりぽわぽわな気持ちになるお話です( ´ ▽ ` )最後まで応援しています！無理せず完結目指して頑張ってください！(*^^*) (2020年10月16日 4時) (レス) id: e6029a3436 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - ゆきまろさん» ビューネくん通じてよかったです！心に小瀧くん住まわせていきましょう！( ＾∀＾) (2020年10月7日 23時) (レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまろ(プロフ) - ここで癒しを得ています。私もビューネ小瀧くん欲しい…求めるものはこういう癒しの存在ですよね！！これからも応援してます！ (2020年10月5日 0時) (レス) id: 3907de7a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sana | 作成日時：2020年9月20日 18時
