Fate or destiny【重岡大毅】

Progress？ ページ10

「お、牧さん」


ひらひらと手を振ると初めの頃のそわそわした牧さんはいない


一直線で俺のところに向かってくるようになった


「今日もレバニラ定食？」


「おう、ニラ食べてニラニラしてるから(笑)」


「何それ…(笑)」


牧さんは相変わらず少ないお弁当だけど


俺が毎回牧さんにミルクティーを差し入れてカロリーを増やしている


「そういえば…」


「ん？」


「映画…今週の金曜日でもいい？」


「んぇっ！？」


まさか牧さんから誘ってきてくれると予想しておらずむせてしまった


「そこ以外はちょっと難しくて…無理？」


「全然大丈夫！！！じゃ、仕事終わったら！！！」


「ふふ…楽しみだなぁ」


それは映画が？俺とのデートが？


ちょっと期待していい？


「牧さんの私服見たいなぁ…」


「えぇ…私そんなに服持ってないよ


それに職場に着替え持ってくるの大変だよ」


「ですよねぇ…」


速効で断られて顔を下に向けてため息をもらす









「また…機会があれば…ね？」


「えっ」


俺に聞こえるか聞こえないかくらいの声で牧さんがつぶやいて


そんな言葉をかけられると思ってなくて勢いよく顔を上げると


今までに見たことのない、少し照れたような表情をしていて





…やっぱり期待していいですか？

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