Her thought ページ22
「私、前の会社にいる時に病気がわかったの」
沈黙を破ったのは牧さんだった
さっきとは違ってしっかりとした声で
目をみて話してくれた
「それで会社辞めて治療して一回治ったんだけど
入院した時に“あぁ死ぬのかな”って思ったから
死ぬ前にやりたい事を全部して死のうって思って」
「うん」
「そのためにはお金がいるから
そのお金集めるためにこの会社に入ったの」
「うん」
「友達作っても私も相手も辛いだけだから
ひっそりと働いて
再発しても治療する気なかったから
ひっそりと死のうって」
「…」
「でも…レバニラ食べるだけで幸せそうで
いつもニコニコしてる重岡くんを
見るだけで辛い事忘れられて
毎日お昼が楽しみになったの
もっともっと明日が来たらいいなって思うようになったの」
そう言いながら涙がポロポロ溢れていた
「それだけで十分だったの
こんなにも幸せな気持ちをもらって
これ以上私だけ幸せな気持ちもらって
重岡くんを悲しませることはしたくないの」
だから…と言った牧さんの言葉の続きを聞きたくなくて
優しく触れるだけのキスをした
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sana(プロフ) - 梅子さん» 初めまして!コメントありがとうございます!頑張って完結します(^^) (2020年5月3日 13時) (レス) id: d981d5d6e5 (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - 二人の初々しい感じがドキドキします。これからも楽しみにしています^^ (2020年4月30日 0時) (レス) id: 6cf0795d13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sana | 作成日時:2020年4月22日 2時