初めて話す本音 ページ37
.
Aside
さとっちゃんにも気づかれなかったのに。
隠してたのに。
神ちゃんに「何かあった？」って聞かれてしまった。
でも弱い所なんて見せたくない。
だから明るく「大丈夫！」って言って、
顔を見られへんようにテーブルに向き合った。
台本を置いて、ペンを持って。
だけど、ペンを持ってた手は止められた。
神ちゃんの手によって。
驚いて見上げると、神ちゃんの心配そうな顔。
智「まだ知り合ったばっかやし、
頼んないかもしれんけど、
これから一緒にドラマやるし、頼って欲しい。
それに…」
『それに…？』
智「Aちゃんは
大事なメンバーのいとこやしな！」
『でも…私、誰にも弱い所見せたくない…』
智「人に頼るのも大事なことやで？
もし皆には無理でも俺には頼ってや」
『…』
智「じゃあ、練習」
『練習？』
智「これから生きていく中で、
絶対頼らなあかんことも出てくる。
そん時の為に俺で練習してみよう」
『…迷惑じゃない？』
智「全然迷惑ちゃう。
むしろ頼ってくれへん方が迷惑やで？」
そう言って優しく微笑んでくれる神ちゃん。
神ちゃんの温かい言葉と、優しい雰囲気に
気づけば口が動いていた。
『作詞を任せられるの2回目で、
前はテーマも固定じゃなかったし、
主題歌とかじゃなかってん』
智「うん」
『でも、今回は主題歌やし、
ドラマのストーリーに沿うように考えなあかん。
でも、私恋愛経験とかないし、
どう表現すればええんか分からんくて。
他の方から期待してるよって言われる度に、
その期待に全然応えられへん自分が嫌になって、
どうしていいか分からんくなってもて…』
誰にも相談出来んひんかったこと。
まだ神ちゃんと知り合って時間経ってないのに。
言葉がスラスラと出てくる。
不思議な感覚。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 300人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コスモス | 作成日時：2020年4月24日 14時
