やっぱり優しい前髪さん。 ページ8
you side
濱「･･･ごめんな高橋さん」
「いえ･･･大丈夫です！あの･･･さっきの方は？」
濱「俺の同期。元俺たちと同じ第７部署やった山田や。今は第６部署の部長」
「そうだったんですか･･･」
濱「あいつには気ぃつけてな、」
「な、何をですか？」
濱「あいつ結構気性荒いし、何回も部下に手出してんねん。結構この会社では有名な話なんやけど、あいつのオトンがこの会社のお得意さんでな。クビにしたくても無理なんやって」
「なるほど･･･」
濱「あいつに何かされる前に、絶対俺に言うんやで？」
「わかりました！」
濱「俺に言えへんかったら重岡でも淳太でもええから。絶対やで？」
「っ、！」
濱田さんはとてもじゃないけど
すごく、必死だった。
あたしの両肩を掴んで、すごく必死な顔だった。
濱「ご、ごめん！高橋さん･･･」
「い、いえ･･･」
濱「さ、ちゃちゃっと案内終わらせよ！」
「はい、！」
気にしてても仕方ない。
あの「山田部長」に気をつける。よし。
それを心に留めて
あたしと濱田さんは会社を回った。
すべての部署を紹介してもらって
最後に案内してもらったのは屋上。
景色は絶景、とあたしは思った。
ただのビルの下に広がる景色だけど、
きっと夜は綺麗なんだろうなって。
濱「ここな、穴場やで」
「人気そうですけど･･･」
濱「ぜーんぜん！みんなそれぞれの部署で昼食うてるみたいやし、ここに人がおる時は大体俺らの部署の人間かなｗｗ」
「そうなんですね！意外です！」
濱「俺もここはよく来てるしな」
「ここに？」
濱「これ、ここしか無理やからなｗｗ」
「あー･･･ｗｗ」
濱田さんはスーツの裏ポケットから
タバコを取り出してふにゃっと笑った。
濱「高橋さんは吸うてへんよな？」
「はい、でも嫌いじゃないんですよね。たばこの煙って」
濱「なんでなん？結構嫌いっていう女の子多いのに？」
「うーん、お父さんを思い出すんですよｗ」
濱「なるほどな！」
「気にしないで吸ってもらって大丈夫です！」
濱「ありがとう。ほんなら一本吸ってこｗ あ、そうや。あのさ、もし良かったらなんやけど･･･Aちゃんって呼んでええかな？」
「どうぞ！」
濱「ええの！？やった！ほなAちゃんな！」
すごく喜んでる濱田さん。
なんか嬉しいなって思った瞬間だった。
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作者名：おおかみ | 作成日時：2020年8月26日 22時
