いつものやつ。 ページ15
you side
神「いつものでいい？」
「うん、ありがと。お願いします」
神「あいよ」
神ちゃんは手際よく「いつもの」を作ってくれる。
神「ほい、いつものな」
「あー･･･おいしそ〜･･･！」
あたしがここで頼むのは
毎回決まって同じもの。
キャラメルラテでございます。
神「で？どうなん、仕事」
「あー･･･うん、なんとか部署にも打ち解けて、同期の子とも仲良くやってる」
神「同期な〜･･･大切にせなあかんよ？Aを守ってくれる大事な存在やで？」
「うん、それはもちろん。でもね、なんかすごい不思議なんだよね」
神「その同期が？」
「そう。あたしと高校一緒だったんだ。だいぶ前に話したことだけど」
神「へぇ〜！何それ！気になる！」
「なんかね、あたしと高校が一緒で、あたしは彼の事は知ってたんだよ。高校時代、ものすごくモテてた人でさ。スポーツもできる人で。大人気だった」
神「うん」
「でも一言も話したことなんてないの。なんならあの学校マンモス校だから人数もめっちゃ多いし、あたしのことなんて知らないと思ってたから･･･」
神「ほぉ〜･･･でも知ってたんや？」
「ピアノの話、神ちゃんに話したことあるでしょ？音楽室であたしがよく弾いてたって」
神「あーうんうん」
「その話したら、彼は思い出したって感じで」
神「･･･なるほど、そういうことかｗｗ」
「え、？」
神「いやいや。こっちの話。でも尚更よかったんちゃう？心強いやん！」
「まぁね！それは確かに！すごく笑顔が素敵な人なんだ。一緒にいたらずっとあたしも元気になれるような笑顔」
神「俺の友だちにもそういうヤツおるわぁ〜･･･ウザい時もあるけど、結局その笑顔でチャラになってんねんｗ」
「分かる〜･･･全く一緒ｗ」
神「ま、仲良くな！」
神ちゃんは食器を片付けながら笑顔を見せた。
神「A、一人暮らしやんな？」
「うん、そうだよ」
神「寂しいって思う時ないん？」
「常に思ってるよｗ でも頑張らなきゃ！お父さんたちに笑われちゃう！」
神「たまにはしっかり休まなあかんで〜？」
「分かってまーす！」
あたしは神ちゃんが作った
甘くておいしいキャラメルラテを飲み干して
「また来るね！」と挨拶をしてカフェを出た。
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作者名：おおかみ | 作成日時：2020年8月26日 22時
