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( 赤 )
「 ...... はぁ〜、っ、 」
しんどい、つらい、もう仕事辞めたい。
...... でも、辞められない。
どれだけ苦しくても、辞めさせてくれない。
上司が許してくれない。
ほんまに、嫌や、もう、逃げたい。
帰ってきたら毎日、そんなことばかり考えてる。
やけど、今日は、
ずっと昨日のことが頭から離れなくて。
...... 藤井さん、やさしかったなぁ、
何か抱えてるもんがありそうで、
俺と、どこか似てるところがある気がした。
何号室って言ってたっけな、忘れてもうた。
今日も、屋上にいるやろうか。
もう一度、会って話してみたくて。
それに、昨日は迷惑かけたやろうから、
面と向かってちゃんと謝りたかった。
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「 ...... ぁ、 」
青 「 ...... 重岡さん、こんばんは、 」
また来たんですね、
今日も飛び降りようとしてるんですか。
なんて、平気な顔して、ほんまにおかしい質問。
「 ... 今日はちゃいます、もう飛び降りないです、 」
青 「 ...... ん、よかった、 」
「 昨日はすみませんでした、迷惑かけて、 」
青 「 ... 俺は何もしてないです、 」
何もしてなくなんかない。
“ ひとりやない ” って言ってくれた。
その一言があったから、
やっぱりこんなことやめようって気づけた。
青 「 もうしないって、約束してください 」
「 ......... はい、約束です、 」
青 「 俺待ってたんです、ここで 」
「 ぇ、なんで、 」
青 「 また飛び降りようとしてるかもって思って、 」
ほんまに迷惑かけてもうたなぁ ...
藤井さんにも、俺、嫌われてしまうんやろか。
青 「 でも俺、いつもここ来るから、迷惑とかやないですからね 」
「 ...... そうなんですね、っ、よかった、 」
綺麗な夜景に囲まれて、たくさん話した。
藤井さんが住んどるのは18号室やった
ってこともちゃんと聞けた。
青 「 ...... そろそろ帰りますね、 」
「 ん、俺また来てもいいですか、 」
青 「 もちろん、 」
お互いにどうでもいい話して、笑って。
俺が求めてたんは、こういう時間なんやって思った。
誰かと話して笑うだけで、
こんなに楽しいんやったって思い出した。
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作者名：aoi | 作成日時：2023年10月8日 22時
