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今だって、メイドさんと同じような格好して、ドレスなんか着ようともしない。
そんなとこも変わってなくて、翔はくすっと笑った。
｢あんた何にやにやしてんの｣
無表情の和也が冷たい視線を送る。
｢あ、いや、なんでも…｣
翔は咳払いをして口角を下げた。
｢まあでも、あんたが幼馴染だろうがなんだろうが、ここまで来たんだから姫は俺と結婚させるよ｣
潤が言う。
どうやらこの子は結婚に本気のようだ。
｢でも当の本人がする気ないんじゃ、冷めますよね〜。ったく迷惑な話だよ。こんな胸もない姫様とどうやって子孫残すんだっつーの｣
｢おい！そんな言い方ないだろ！お前だって村からここに来たくせに…｣
静かに下世話な暴言を吐く和也に翔は苛立った。
｢こっちはいやいや来たんだよ。村が貧乏でね、お前が姫と結婚して村を幸せにするんだって言われて…断るに断れないでしょ？まあ、金持ちの王子様たちにはわからないか｣
｢だからって、智くんをひどく言うのは許さないからな｣
｢何あんた、マジでこの姫さんに惚れてんの？じゃあ好きにすれば？あんたにあげるよ｣
｢おまえ…！！｣
｢おい、やめろよ。目覚ますだろ｣
挑発する和也に、翔は耐え切れず掴みかかろうとする。潤は冷静に彼を止めた。
｢…おい、あんたは何やってんだ？｣
智の顔をじーっと静かに見つめている雅紀を怪訝な目で問いかける。
｢いやぁ、見てよ寝顔超かわいいよ！このお姫様！｣
ほっぺもぷにぷに〜！なんてつんつんと人差し指で嬉しそうにつついている。
その姿に３人の王子はあきれ返った。
｢ん…｣
頬に感じる人差し指感触に皺を寄せながら寝返りを打つと、きゅっと雅紀の指を握りしめた。
｢えっ！｣
その赤ん坊のような行動に、雅紀の母性(？)本能はくすぐられた。
｢っ、かわいすぎ！俺絶対この子と結婚する！！！｣
｢ば、だから声でけぇよ！｣
毛布の上から智に抱きつく雅紀を引き離した。
これで、結婚に本気じゃないのは和也だけになった。
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作者名：京
| 作成日時：2020年4月12日 22時
