heroine① (ページ22)

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｢いた！智、おまえまたそんな格好して！｣

｢わ、松にぃ来ちゃった｣

｢来ちゃったじゃないだろ！さっさとこれを着ろ！｣

松岡が替えの服を持ってずしずしと部屋に上がる。

｢こっちのほうが楽なのに…｣

｢文句言うな。ほら、脱いで｣

シュルッとバスローブの紐を緩め肩からずり落ちた。
途端に目に入ったのは、何も纏っていないお姫様の体。

小柄で、細くて、白い肌…。

胸にあるピンクの突起が目に入った途端、ガタンと崩れ落ちた。

｢はい、翔さん脱落ー｣

｢え？翔くんどうかしたの？｣

シャツのボタンもろくに留めないまま翔に駆け寄る。

｢翔くん？｣

｢さ、智、く…｣

翔は意識を失った。

『なんつー免疫の低さ…』

３人は同じことを思った。

｢なんだなんだ？裸に興奮してちゃ王子が勤まるかよ。おい、寝かしとけ｣

松岡がひょいっと翔を持ち上げ召使いたちに乱暴に手渡す。

｢…おまえら、こいつに変なことしようとすんなよ？｣

おまけに和也たちまで冷たく睨まれてしまった。

｢松にぃ、変なことって？｣

｢おまえはいいんだよ｣

｢ふーん？？｣

純粋すぎるお姫様と、ガードが固すぎる付き人。

結婚の壁の厚さに３人はため息をついた。

本当に結婚なんてできるのかな…？

王子たちの不安は募るばかりだった。