heroine① (ページ15)

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広い夜空に溢れんばかりのキラキラと輝くダイヤモンド。
それが涙のように、ぽたぽたと流れ落ち、そして消えていく。

｢流星群…｣

｢そう。今日はオリオン座流星群が見られる日なんだ｣

１４年間生きてきた中で、こんなに美しいものを見たのは生まれて初めてだった。

今にも自分の元に落ちて来そうで、智はそっと空に向かって手を伸ばす。

潤はふと智のほうを見た。

口を半開きにしたままその光景に酔いしれている。
潤んだ目には、瞬く星が映し出され、宝石のようだった。

潤は、その姿が星よりもずっと美しく魅力的に感じた。

キスしたい…

そう思いゆっくりと智のほうへ顔を近付ける。

智は星から目を離せず潤に気付かない。

潤は遠慮がちに、彼の口端に唇を触れさせた。

｢ん？なんかついてた？｣

智はキスされたことに気付いていない。

そんなに星に夢中だった？

｢ううん、何も｣

くすっと笑うと、お姫様が薄着でいることに気付き、風邪引かないようそっと抱き寄せた。

｢潤くん？｣

不思議そうに王子を見上げる。

｢潤でいいよ｣

｢潤、どうしたの？｣

彼は何も言わない。

疑問に思いながらも、彼の体温を感じると、なんだか心地よくなってきた。

しばらく２人は、寄り添いながら空を見上げていた。