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結局21時過ぎまでかかってしまった。
翔くんに「今いく」とだけ連絡すると、逃げるようにオフィスを後にした。
ロータリーに着くと、横付けした車の前にスーツ姿の彼を発見した。
周囲を伺いつつ近付くと、俺に気づいていつものように手を振った。
「お、お持たせ」
「お疲れさま。行こうか」
「うん」
まだビルの中にはまばらに人がいて、中にあるコンビニにもうちの社員らしき人が見受けられる。
端から見たら、どんな関係なんだろうって思われてるのかな。
ドキドキしながら車に乗り込もうとすると、ちょうどビルから出てきた人物に何気なく目を向けた。
「あっ…」
やばい、カズだ。
ちょうど同じタイミングで彼も俺の方を見てきたもんだから、一瞬目が合う形となった。
彼は俺を見たあとに車、そして運転席を確認して、そのままスタスタと駅のほうへ歩いていった。
…気付かれた？
何も挨拶して来なかったし、ただ見てただけかも。
でも、目は絶対に合っていたと思う。
気になりつつ助手席につくと、車が発進した。
「何か食べてく？お腹減ったでしょ」
「う、うん…」
カズは俺が言う彼女が本当は男性の恋人だと知ったら、やっぱり軽蔑するのかな。
まあ、話す機会なんかそんなにないからいいんだけど。
今日の今日での出来事だから、もしかしたら連絡来るかもしれないし。
そうなったら何て返そう。
ただの友達って響きを翔くんにもカズにも、あまり使いたくない。
てかそもそも、隣にいる彼は恋人なのかもはっきりしていないのに。
「智くん？なんかあった？」
「え…？」
「元気ないから」
「あ、ううん！何も、ない…」
何もないわけない。
浮かれ気分でいた自分が急に恥ずかしくなった。
翔くんは恋人なんて銘打って付き合っているわけではないのかもしれない。
そんなことを気にしてる自分が小さい人間だなと思うし、女々しいなとも思う。
「…どっか行く？」
「えっ、ど、どこに？」
「どっか、ドライブ。これから忙しくなったらこうして一緒に帰る機会があるかわからないし」
「そう、なの？」
「それに、ただ帰るだけじゃもったいないじゃん」
こういうところが、あっ、見透かされてるって思う。
彼といればなんだって楽しいのだけれど。
二人きりの空間でドライブなんて、嬉しくないわけがない。
うるさい部長や、後輩に気遣わなくていいし。
車なんて営業車でしか乗らないから、こんなにゆったり景色を楽しめることがすごく新鮮だった。
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京(プロフ) - 碧央。さん» いつもありがとうございます！ここまで読んでいただけて本当に嬉しいです！最後まで更新頑張ります！(*^.^*) (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます！！潤くんは確実に絡ませる予定なので、ご期待ください！(´- `*) (2021年2月23日 8時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - この展開、ドキドキしてすごく好きです！更新待ってます！頑張ってください(*^^)v (2021年2月22日 2時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 松潤も大野くんのことを気になり出してちょっかい出して欲しいです！！翔くんとにのから大野くんを奪って欲しいです！！更新待ってます^ ^ (2021年2月21日 16時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - naoさん» naoさん、ありがとうございます。今は辛い内容ですが、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。 (2021年2月19日 23時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月25日 0時
