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「俺はすべてをあなたに捧げる。だから、俺を信じて。信じて、それで…」
「それで…？」
「もう十分でしょ？智くんだって、これ以上我慢できなさそうだし」
「いやっ…！」
中心を撫でられ大きく背中を反らした。
翔くんの温かくて優しい手がそれを包んで上下に動かされる。
それだけでも頭が真っ白になってふわふわと雲の上を浮いているようで、目を閉じてされるがまま身を委ねた。
結局また答えは聞けなかった。
それが彼なりの精一杯の表現だったのかもしれない。
俺は信じ続けるほかないってことだ。
例え何があっても、この好きだという気持ちだけで背中を照らしていかなければならない。
いったいどれだけの重荷になるのか。
支えきれないほどの壁が目の前にぶち当たったとき、果たして俺はどちらの道を選ぶのだろうか。
壊すほどの力なんていくらもないことくらい、自分自身が一番よくわかっている。
「翔くん、」
事を済ませキッチンで夕飯の準備をしている彼の背後から、お腹に腕を回し密着させた。
「どうしたの？智くん」
「本当に翔くんがいる。なんか、信じられない」
「さっきまであんなに感じてたくせに、まだ足りないの？」
「もうっ、すぐそうやって言うんだから…」
そう言うと、彼は鍋に蓋をし火を止めて、身体ごとこちらに向けた。
「珍しいね、こんなに甘えてくるの」
髪を流れに沿って優しく撫でられると、心が安心感でいっぱいになる。
どうしてだろう。
今彼が優しくしてるうちに味わっておかないと、いつか後悔する気がするんだ。
毎日が不安との戦いだなんて、そんなの嫌だ。
ずっと俺だけのことを見ていてほしい。
ここまでしてもらった以上の、ワガママは言えないけど。
俺だってそれなりの覚悟で部屋を出てきたのだから。
少しくらい甘えたって罰は当たらないはず。
「翔くんが好き」
いつものセリフがリビングで鳴り響くテレビの音と交わる。
ただ、それだけ。
あなたが好きだからここにいる。
それ以上でも、それ以下でもない。
「俺も好きだよ…って、あんまり言わせないでよ。恥ずかしいから」
「そんな言うんだったら俺だって恥ずかしい」
「じゃあなんで言うの？」
「んー…好きだから！」
背を伸ばして短くキスをすると、少し顔を赤くして照れたように笑った。
俺はその反応が嬉しくて、何度もキスをしては表情を確かめた。
そうしているうちは、あの香りが鼻を突くことはなかった。
彼を一番そばに感じられる香りこそが、何よりも俺を苦しめる原因なのだから。
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京(プロフ) - 碧央。さん» いつもありがとうございます！ここまで読んでいただけて本当に嬉しいです！最後まで更新頑張ります！(*^.^*) (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます！！潤くんは確実に絡ませる予定なので、ご期待ください！(´- `*) (2021年2月23日 8時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - この展開、ドキドキしてすごく好きです！更新待ってます！頑張ってください(*^^)v (2021年2月22日 2時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 松潤も大野くんのことを気になり出してちょっかい出して欲しいです！！翔くんとにのから大野くんを奪って欲しいです！！更新待ってます^ ^ (2021年2月21日 16時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - naoさん» naoさん、ありがとうございます。今は辛い内容ですが、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。 (2021年2月19日 23時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月25日 0時
