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気にしてない、と言ったら嘘になる。
カズに言われた言葉。
「騙されてる」なんて、俺たちのことに口出ししてほしくないと思った。
だからハッキリ言った。俺は翔くんのことが好きだって。
結局カズはどういう意味なのか最後まで教えてくれなかった。
俺が聞こうとしなかったっていうのもあるけど。
こんなことで友情が壊れていくのだとしたら。
もともとあってもなくても、同じだったのかもしれない。
翔くんにも何があったのか聞けないまま、また新しい１日が始まる。
俺はあの頃と何も変わってないんだと思った。
こうして気付かない振りをすることで、自分を苦しめてるだけなのに。
でも、ごめんね翔くん。
俺にはまだそんな勇気ないんだ。
わかり合おうとしたい気持ちがある反面、知ってはいけないことがあるんじゃないかって、目を瞑っているんだ。
五月の雨がしとしとと降り続く。
雨の日は切ない。寂しい。物悲しい。
そんなイメージがずっと頭に張り付いている。
自宅までの坂道を足元を濡らしながら歩いてたあの日が急に懐かしく思えた。
まだ引っ越して日も浅いのに。
こうして歩いていると、自分の家が見えてくるんじゃないかって錯覚する。
俺は、戻りたいのだろうか。
何不自由ないはずのこの生活は、当たり前になればなるほど、不安ばかりが募っていった。
「こんばんは〜」
ポストの前に立っている女性に挨拶をしつつ、鍵を開けようとバッグを漁る。
すると、その女性がじっと自分のほうを見ていることに気づいた。
顔を上げ何か用かと問いただそうとするも、そこからは声も出せなくなった。
目の前にいたのは、あの日会ったのが最初で最後だったはずの。
翔くんの奥さんだった。
「あなた、前にレストランで会ったわよね。オカマバーの…」
「あっ…」
「ここに住んでるの、おかしくない？なんで翔と同じマンションなわけ？オカマのくせにスーツ姿でこの時間に帰宅するわけ？」
ぐいぐいと詰め寄られたじろぐ。
なんでこの人がここに？
翔くんはもう離婚したと言っていた。
だとしたら、まだ未練があってここまで追いかけて来たってこと…？
俺のこと、どこまで知ってるんだろう。
まだ、オカマだって言って通用するのかな。
「何号室なの？言いなさいよ」
「っ、それは…」
「言えないわよね〜。私が何も知らないと思ったら大間違いだから」
ぐいっとネクタイを掴まれ引っ張られると、鬼の形相の彼女が目の前に迫る。
俺はわけがわからないまま、ただ言葉を探すだけ。
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京(プロフ) - 碧央。さん» いつもありがとうございます！ここまで読んでいただけて本当に嬉しいです！最後まで更新頑張ります！(*^.^*) (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます！！潤くんは確実に絡ませる予定なので、ご期待ください！(´- `*) (2021年2月23日 8時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - この展開、ドキドキしてすごく好きです！更新待ってます！頑張ってください(*^^)v (2021年2月22日 2時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 松潤も大野くんのことを気になり出してちょっかい出して欲しいです！！翔くんとにのから大野くんを奪って欲しいです！！更新待ってます^ ^ (2021年2月21日 16時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - naoさん» naoさん、ありがとうございます。今は辛い内容ですが、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。 (2021年2月19日 23時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月25日 0時
