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トイレの隣の非常階段へ出ると、慌てて通話ボタンを押した。
「はい、櫻井です」
『あっ、櫻井さん。夜分遅くにすみません。実は奥様が次の調停の日程を後ろ倒しにしたいとおっしゃってまして…』
「はぁ…」
調停の日程なんて変えられるのか？
どこまでも自己中心的な人だ、と呆れつつも、日程が決定次第連絡してもらうことになった。
「すみません、僕もまだ入社したばかりで急なスケジュール変更は困りまして…妻にもそうお伝えください。はい。では、失礼いたします。」
いったい何を企んでいるのやら。
いよいよ長かった離婚調停も終盤に差し掛かる。
やっとのことで離れられる。そうすれば、晴れて俺は智くんの恋人になれる。
誰がなんと言おうと、どう見ようと、間違いなくだ。
今は楽しい飲みの席だから考えないようにしようって、そう思ったときだった。
「忙しそうですね、櫻井さんは」
ハッ！と顔を上げると、非常階段の入り口で壁に寄りかかったまま不適な笑みを浮かべる二宮さんの姿があった。
「奥さんとの離婚問題があるんじゃ、こんなところで飲んでる場合じゃないんじゃないですか？」
「っ、聞いてたんですか…」
「真面目な顔して、結構大胆なことやるよね。奥さんがいながら不倫して。しかも男相手に。会社も辞めて、引っ越しまでして。人生楽しいですか？」
驚きのあまり立ち尽くす俺の周りをゆっくりと歩きながら包囲していく。
「どうして、そんなこと知って…」
「あんたと智が二人で会社から出ていくの見てから、なんかおかしいと思ってたんだよね。だからあいつからあんたのことについて聞いた。もちろん、友人として。あの人天然でバカ正直だから、なんでも教えてくれましたよ」
「智くんが妻のことまで話したって言うのかよ！」
「いいえ。それに関しては今日たった今、櫻井さんの電話で気付きました。繋げてみたらさっき話した通りになったけど…その感じだと当たってるみたいだね」
何なんだ、この男は。
いったいどういうつもりでそんなこと知ろうとしているんだ。
「ねぇ、智ってベッドでどんな感じなの？やっぱ敏感なの？」
「なっ…！？」
「俺もずーっと同じことしたいって思ってたけど…やっぱりあいつ、そっちの気あったんだね。あんたがきっかけとはいえ知れてよかったよ」
二宮さんは挑発するように笑うと、少し背の高い俺を鋭く睨み上げて言った。
「どうやって口説き落としたか知らないけど、お前みたいなのにあの人はやらないから。さっさと檻から解放しろよ」
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京(プロフ) - 碧央。さん» いつもありがとうございます！ここまで読んでいただけて本当に嬉しいです！最後まで更新頑張ります！(*^.^*) (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます！！潤くんは確実に絡ませる予定なので、ご期待ください！(´- `*) (2021年2月23日 8時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - この展開、ドキドキしてすごく好きです！更新待ってます！頑張ってください(*^^)v (2021年2月22日 2時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 松潤も大野くんのことを気になり出してちょっかい出して欲しいです！！翔くんとにのから大野くんを奪って欲しいです！！更新待ってます^ ^ (2021年2月21日 16時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - naoさん» naoさん、ありがとうございます。今は辛い内容ですが、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。 (2021年2月19日 23時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月25日 0時
