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「どうしたの？なんかついてた？」
「ううん。イケメンだなって思っただけ」
「ははっ、何それ。なんかしてほしいの？」
「違うよ！ほんとにそう思っただけ」
「ふーん」
言ってて恥ずかしくなってきて、これ以上見てられないと目を反らした。
反対に今度は翔くんのほうがじっと俺の横顔を見つめている。
見られている方の頬が、じんと熱くなるのがわかった。
「な、なんだよ」
「いや、かわいいなって思って」
「かわいく、なんか…」
「かわいいぽってりした唇に、キスしたい」
「っ、バカ！何言って…」
突然の言葉にうろたえて目が合うと、待っていたかのように目を閉じて触れるだけのキスをされた。
感触を確かめるように少し啄むと、すぐにそれは離れていって、伏し目がちな瞳が俺をとらえた。
「こうならなかったらって不安は俺にもあったよ。あなたが電話に出ないまま、俺に会わないまま、この部屋に来ないまま何もかも終わってしまったら…って」
「翔くん…」
「毎晩そのことばかり頭にあって眠れなかった。いったい何が正しいのか判断もつかないで、自分の気持ちに正直になったとき、気付けば行動に起こしてた」
そこまで言うと顔をしかめて、筋肉質な腕で俺を抱き寄せた。
彼から香ったのは、生活感のある匂いだけだった。
なんとなく安心して肩に埋もれると、背中に腕を添えてそれに応えた。
「被害者ぶって、おかしいよね。ずっと智くんの気持ちを無視し続けたくせに…」
「ねぇ、翔くん」
「ん？」
話続ける彼を遮って口を開いた。
「俺は、信じていいの？」
ぎゅっとしがみつくと、腕の中に小さな声が吸い込まれていく。
その言葉を発した途端、またあの不安感に押し寄せてきて。
鼻の奥からつんと頭のてっぺんまで突き刺さるような感覚を覚えた。
彼は背中を撫でながら、耳元にキスをしてそのまま甘噛みする。
「ん…だめ、」
ぴくんと一瞬震えたのをきっかけに、舌を入れてきたり、息を吹きかけたりして反応を楽しんでいるよう。
また、こうやって誤魔化されちゃうのかな。
このまま押し倒されて、快感に紛れて、俺の言葉なんてなかったことにされちゃうのかな。
嫌だ！と思ったと同時に、またあの香りが脳を過った。
俺の大嫌いな、あの匂い。
どうしてこうまでして苦しめるの？
忘れたいことばかり忘れさせてくれなくて、忘れたくないことを人間は忘れる。
彼から5000円借りてたことも、今ふと思い出した。
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京(プロフ) - 碧央。さん» いつもありがとうございます！ここまで読んでいただけて本当に嬉しいです！最後まで更新頑張ります！(*^.^*) (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆりかさん» ありがとうございます！！潤くんは確実に絡ませる予定なので、ご期待ください！(´- `*) (2021年2月23日 8時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - この展開、ドキドキしてすごく好きです！更新待ってます！頑張ってください(*^^)v (2021年2月22日 2時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 松潤も大野くんのことを気になり出してちょっかい出して欲しいです！！翔くんとにのから大野くんを奪って欲しいです！！更新待ってます^ ^ (2021年2月21日 16時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - naoさん» naoさん、ありがとうございます。今は辛い内容ですが、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。 (2021年2月19日 23時) (レス) id: 3db66e1bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月25日 0時
