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あれからもう３ヶ月。
気付けば日が延びて、昼間には暖かい春の陽射しが差すようになった。
俺は最初こそ落ち込んでいたものの、仕事に没頭することでなんとか彼の存在を忘れようとしていた。
でも、ときどきCCに入っている櫻井翔という名前を見るとやはり思い出してしまう。
優しい笑顔も、手のひらの感触も、目を瞑ればすぐに思い出せる。
あの日の発言は、後悔していないと言えば嘘になる。
彼は俺を選んでくれたはずなのに。
実際に奥さんを目の当たりにしてショックだったのかもしれない。
俺は彼に選択肢を与えてしまった。
そして今日まで連絡がないということは、おそらくそういうことなのだろう。
煙草の匂いですら彼を思い出す材料になってしまって、会食の場でもときどき胸が苦しくなる。
もう会えないのなら、もう少しかわいいセリフひとつ言えたらよかったのに。
自分が最初に突き放したくせに、本当に目の前から消えたときは急に寂しくなる。
そんな折、また翔くんの会社と会食が行われることになった。
なんでも、担当が変わるらしい。
そう、翔くんは俺の会社の担当を外れることになったのだ。
もちろん自分のせいだって勘繰ってみたけど、担当を変えろなんて申し出をするのはよっぽどのことだ。
おそらくまた別の理由が何かあるに違いない。
俺たちは久しぶりに顔を合わせることになった。
「この度はお時間いただきありがとうございます。実は櫻井が今月末で退職することになりまして」
「えっ！？そうなんですか…いや櫻井さんには新入社員の頃からずっとついていただいてので、我々も本当に信頼していましたよ」
「すみません、突然のご報告となってしまって。今後は彼がメイン担当となりますので。ご指導のほどよろしくお願いいたします」
部長同士と翔くんがそんな会話を繰り広げている中、俺は心ここにあらずという感じだった。
久しぶりに見た翔くんはやっぱりかっこよくて、スマートで、スーツをビシッと着こなして。
でも顔は仕事モードだった。
俺たちはまったく目を合わせなかった…というよりも、俺が合わそうとしなかったのかもしれない。
だってそんなことできるわけないじゃん。
ましてや、あんな風に想い合っていたのに、退職する話は今ここで初めて聞いたわけだから。
いなくなるのが寂しい、悲しいって気持ちより、悔しいって気持ちのほうが大きいくらい。
でも次第にふつふつと実感が沸いてきて、頭にガーンと重たい石が降ってきたみたいな、そんな衝撃を受けた。
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京(プロフ) - 碧央。さん» 碧央さん、ありがとうございます！詳細な感想までいただけて…本当に本当に嬉しいです！！まだまだ書き続けたいと思いますので、今しばらくお待ちいただければと思います！ (2021年1月24日 1時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、ありがとうございます！！細かく読んでいただけて大変嬉しく思います。続編はもう少々お待ちくださいませ！ (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - butazch715413さん» ありがとうございます、そう仰っていただけて本当に励みになります！続編は書く方向で進めますのでもうしばらくお待ちくださいませ。 (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - 初めまして。毎日読みに来るのが楽しみで続きが気になって仕方ないほどにとても好きな物語でした。切なく胸が痛くなる場面や、ドキドキして高鳴り、にやけてしまう程ラブラブな場面、とても楽しませていただきました！続編読みたいです！お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 京さん、初めまして。京さんの描く色っぽくて魅力たっぷりな大野さんが大好きです。お話の更新をいつも心待ちにしておりました。このお話の続編、是非是非お願い致します！楽しみにしております！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 096605d473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月3日 1時
