ボーイズワンダー【再会編】 (ページ50)

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「翔がどうとかじゃない！！俺がお前にどれだけ目を掛けてると思ってるんだ！？中途半端な気持ちでやるなら今すぐここでやめろ！俺の時間をこれ以上無駄にさせるな！！！」

突然の大声に俺の胸はまだドキドキしたまま。

何も言えず、口を開けたまま驚いていた。

「とにかく…翔を必要としないお前になれ。例えば、翔と出会う前のようなお前に…」

翔くんと出会う前。

それは、思い出したくない記憶だった。

できるだけ人との接触を避けてきた俺は、彼がいなかったら今頃…。

でも、ふと思った。

その頃の俺の方が、この世界は向いているんじゃないだろうか。

ただ無心で、物事に取り組んでいたあの頃。

書道のセンスを褒められても特段嬉しいわけでもなく、淡々と過ごしていたあの頃。

今求められている自分は、以前の姿だというのか。

だとしたら、俺は今の俺自身を失うことになるのではないか。

走り去る窓の外の景色より、時間が早く過ぎていくような気がした。

つづきます！

タイトル、変更する予定です。

皆様、今後ともよろしくお願いいたします！