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あれから二人で女の子たちがおすすめしてくれたお店で夕飯を食べて、マンハッタンの街中を歩きながら帰宅した。
ほんと、こんなにクリスマスを大事に過ごすなんて女の子のやることだって思っていたけど、案外季節を感じるのも悪くはない。
いつか先の未来まで彼と一緒にいることができたら、きっと前はこんなことしてたねって話ができるだろう。
今だってそうだ。
「ねーえ、去年のクリスマスのこと覚えてる？」
二人でベッドに横になりながら枕元の灯りだけが部屋を照らしている。
「去年って…翔くんと翔くんの家族がうちに来たやつ？」
「そうそう。その時もさぁ、思えばこうして両親に将来の話したよね？」
「あー、確かに！クリスマスって何かあるのかなぁ…」
「ほんとね。なんでいつもクリスマスなんだろうね」
「やっぱり家族が揃う良いタイミングだから、とかかなぁ」
わかんないや、って言いながら携帯を置いて枕に突っ伏した。
その瞬間、体を横に向けた智くんが、まだ顔を上げていた俺を下から見つめる。
赤ちゃんみたいに体を縮こまらせている姿に思わずドキッとする。
しばらく見つめあっていると、彼が口を開いた。
「その後のことも、ちゃんと覚えてるよ」
「その、後…？」
「ねぇ、あのときはできなかったけど…」
智くんの手が腕に触れる。
誘うように潤んだ瞳で俺を見据える。
俺はそのまま吸い寄せられる。
そしてお互い体を向け、手を握り合った。
「本当に、いいの…？」
手の甲を親指で擦りながら聞く。
「うん…俺、翔くんに触ってほしい」
「俺も、智くんと…したい、」
そう言うと、智くんはくすくすと笑った。
「かわいい、翔くん」
「なっ、なんでだよ」
「ふふっ、なんとなく」
そりゃ直接的に言うのはムードがないだろ…。
まだ笑いが止まらない彼にムッとして、肩を押し仰向けにすると、その上に覆い被さった。
「しょう、く…」
「かわいいってのは、あなたのことでしょ」
「あっ…」
パジャマのボタンに手をかけながら、わずかに見えていた首筋に唇を寄せる。
「かわいいし、肌も綺麗だし」
「っ、何言って…！」
「腰も細いしね」
「なっ…そんなの、女の子じゃん…」
パジャマのボタンを開け切りはだけさせると、腰の辺りを撫で回す。
本当に女の子みたいだなって思うときもあるけど、智くんに女の子になってほしいとは思わない。
ありのままの彼がただ好きなだけだから。
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作者名：京
| 作成日時：2020年8月16日 14時
