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リハーサルが終わってあまりの緊張にテーブルについて喉を潤していると、ガタン、と目の前に誰かが席についた。
「最悪だよ、ほんと」
「っ、！？」
顔を上げると、手を頭の後ろに組んで椅子を揺らすカズの姿が。
「最悪だっつってんの」
「ご、ごめん…何が、」
歌い終わったあとまばらに拍手は聞こえたものの、カズは一切無反応だった、
ただでさえ本番前の緊張で手が汗ばんでいるのに、これ以上何か言われたらもう耐えられないかもしれない。
唇を噛み締めながら答えを待っていると、ようやく口を開いてくれた。
「何なの、あんた。マジで」
「あっ、と…」
「なんでいつもできない振りしてんの？なんで自信なさげにそこに立ってるの？」
「え…？」
「智、本気で音楽勉強しない？他に何かやりたいことあるのかもしれないけど。俺は絶対その道に行ったほうがいいと思ってる」
「カズ…」
これは、褒めてるの？
さっきの歌、大丈夫だったってこと？
「あのポスターも智がデザインしたんでしょ？」
「あぁ…うん。そうだったかも」
壁にたくさん貼られている夏のイベントのポスター。
そんなこともやったな、なんてすでに懐かしくなっていた。
「才能があるって、こういうことなんだね。俺１９年生きてきたけど、天才に会ったのは初めてだわ」
「そ、そうなんだ？」
「いや、お前のことだって」
カズは笑いをこらえきれない様子で言う。
「お、俺！？」
「ほんっと、そういうとこがね。かわいくて好きだよ」
「っ…！」
頬杖をついてビー玉みたいな目で見つめられ図らずも胸が高鳴った。
動揺してお礼の一言が出てこないでいると、テーブルに置いていた携帯がブルッと震える。
通知を見ると、翔くんだった。
さっと手に取り内容を確認する。
「えっ！？」
「びっくりしたー…何？」
「あ、ご、ごめ…」
突然大声を上げた俺にカズまでびくっと肩を揺らしていた。
でも、今はそれどころじゃない。
だって翔くん、今日友達とこのお店に来るって言うんだもん。
確かに俺の職場に行ってみたいなとは話していた。
でもよりによってなんで今日！？
カズもいるし、何より、とんでもなくイレギュラーな日だというのに。
来ないでよ！なんて返すわけにも行かず、OKというスタンプだけ打っておいた。
心臓の音が鳴りやまない。
まったく何も言わなくなった俺をカズは怪訝な表情で見ていた。
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京(プロフ) - 富喜田さん» そう言ってくださって嬉しいです！がんばります！！ (2020年7月12日 18時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 何度もすいません。 すごく心に突き刺さりました。 大好きです！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» はい、ありがとうございます！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 面白かったです！ これからの進展楽しみにしてます。 頑張ってください。 (2020年7月8日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月7日 17時
