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「じゃあね、また来週」
「あっ…」
店の前であっさりと別れを告げる彼を咄嗟に呼び止めた。
「ん？なに？」
「あの…本当に、月曜が最後…？」
「うん。なんで？」
「いや、だって、せっかく出会えたのに…」
俯き加減で言うと、カズはふわっと微笑んだ。
「そう思うなら、俺と付き合ってよ」
「えっ…？」
「まだ早いって思うなら、遊びでもいいよ」
「それ、は…」
はっきり言わないと。
はっきりしないから、チャンスがあると思われてしまう。
翔くんがいるのに、別の人なんて。
「あのっ…、」
「また来週ね」
「あ…」
最後まで聞こうとせず、俺の頭に手を置くと、背を向け歩き出した。
もう一度声をかけたい気持ちと、これ以上話すと悲しくなってしまう気持ちがジレンマして、結局何も言えなかった。
そして迎えた月曜日。
ステージの下にいるカズを見つけて立ち上がる。
すると、店長がいそいそと彼とバンドメンバーの元に来て、何か話し合っている様子だった。
気になってステージを降りて近付いてみると、店長は急に大きな声を上げた。
「えぇっ！？じゃあ今日ステージできないの！？」
「すみません、急病で…」
「どうにかならないの？カズくん、歌えない？」
「俺キーがそこまで広くないんで、たぶん歌えないです」
「そうかぁ…もうインストでやるとか？店長ギターやっちゃうよ？」
店長のギターは凄まじく下手で、たまにお客さんとセッションをやることがあるが、明らかにひとりだけノリの違うおじさんが混じっているという感じだ。
「はぁ〜…どうしようかな…って、あっ！！！」
急に何かを思い立ったように、俺の方を見る。
「智くん歌ってよ！もう何百回も聞いたから歌詞覚えたでしょ？」
「はっ、えっ、俺！？」
なんで俺！？
あまりにも唐突すぎて思考が追い付かない。
「歓迎会のときカラオケで歌ってくれたじゃない！知ってる？智くん歌すっごく上手なのよ〜」
なぜそこでオネェになる。
へぇ、という顔でカズが視線を向ける。
「いや、絶対無理だから！！ほんとやめて！」
「大丈夫だって。歌詞なんか適当に歌っててもわからないよ。さ、リハーサルしましょ！」
「そういう問題じゃ…！」
てかどう考えても適当に歌ったらバレるでしょ！
俺は店長に腕を引かれるがままステージに上がった。
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京(プロフ) - 富喜田さん» そう言ってくださって嬉しいです！がんばります！！ (2020年7月12日 18時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 何度もすいません。 すごく心に突き刺さりました。 大好きです！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» はい、ありがとうございます！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 面白かったです！ これからの進展楽しみにしてます。 頑張ってください。 (2020年7月8日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月7日 17時
