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雨上がりの翌朝は快晴で、カーテンの隙間から差し込む日差しに目を覚ました。
翔くんはすでに出掛けていて、俺はせっかく早起きしたのだからと洗濯をし始める。
ぼーっとテレビをつけながらガコンガコンと回る洗濯機が終わるのを待つ。
それでも、頭にあるのは今日の路上ライブのことで。
あのあとすぐ『わかった』って返信が来たけど、それ以上のやり取りはしなかった。
翔くんの目の前でそんなことできないし。
やり過ぎると、次会ったとき何があるかわからないし。
でもね、友達と思っているのは本当だよ。
月曜日会ったときも、普通に接するよ。
普通に挨拶して、怒られて、休憩中は笑い合って、終わったら少しゆっくりして、またバイクで…。
いや、だめ。バイクで送ってもらったら、こないだみたいになる。
断ったら、カズは傷付くのかな。
翔くんを傷付けるのは絶対嫌だけど、そのせいで友達が傷付くのも嫌。
俺は、どうするのが正しいのだろうか。
胸のつっかえがどうしても取れなくて、洗濯物を干しながらずっともやもやしていた。
それからまたベッドに入ってももやもやして二度寝なんてできなくて。
起きてもずっとそわそわ歩き回って。
気付いたら身支度を整えて、カズの歌う駅前に向かっていた。
遠くから見るだけなら大丈夫。
姿を見ればもやもやも取れるし。
見に行ったけど、時間なくて挨拶できなかったよって言えば、罪悪感もない。
駅に着いてどこだろうと見渡す。
かすかにギターの音が聞こえそちらに目を向けると、まばらに人だかりができているのが見えた。
俺はゆっくり近付いて、歌声に耳を澄ませる。
紛れもなく、カズの声だった。
人と人との間から顔を出すと、座り込んでアコギを弾いている姿が見える。
いったい何の歌なのか、無知な俺にはまったくわからなかったけど、優しく囁くような歌声に思わず聞き惚れてしまった。
頭の中がカズの歌声でいっぱいになって、違う世界へと誘われるみたいに、この周辺を一色に染め上げていた。
そのとき、俺はようやく理解した。
どんな理由があろうと、その歌声を聴かせたいという思いは決して踏みにじってはいけない。
だってこの歌を聞かずに終わってたら、俺は一生後悔しただろうから。
これは恋愛劇の一部ではなく、お互いの感性を分かち合う、人として大事なきっかけなのではないだろうか。
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京(プロフ) - 富喜田さん» そう言ってくださって嬉しいです！がんばります！！ (2020年7月12日 18時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 何度もすいません。 すごく心に突き刺さりました。 大好きです！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» はい、ありがとうございます！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 面白かったです！ これからの進展楽しみにしてます。 頑張ってください。 (2020年7月8日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月7日 17時
