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ブー、というスマホのバイブ音で目が覚める。
なんだろう、と思って薄目を開けて確認すると、店長からのLINEだった。
『今日ヘルプ来ることになったから、休んでいいよ。音響は店長がやります。いつもありがとね。』
…さすがに２週間休まず働いていたからか、上から注意でも受けたのだろう。
音響というのはその日の天候や、お客さんの入り具合で少しずつ変わってくる。
湿度の低い日は響きやすかったり、満員の日は響きにくかったり。
うちのPAはデジ卓と呼ばれる最新の機材を使用しているから、そのアーティスト用の音響がすでにインプットされている。
だから例えばアーティストがツアーに出たときでも最初のサウンドチェックで機械にエフェクトを保存しておけば、あとは会場の大きさとかによって調整するだけになる。
同じアーティストに対して毎回細かい音作りをする必要がなくなるってことだ。
ましてや今日なんてピアノとボーカルだけだし。
外は雨で集客も見込めない。
店長は楽して過ごすのだろう。
なんとなく面白くて顔をほころばせながら『わかりました』とLINEを返す。
すると朝方で涼しかった背中が急に温かくなった。
「どうしたの…？」
「ごめん、起こした？」
「いや、俺が勝手に起きた」
「店長が今日休んでいいって。翔くんは？」
「マジで？俺も休む…てか、休み」
「わっ、ちょっと…！」
確かあのあとシャワーを浴びないわけにはいかずベッドを離れたものの、戻ってきたら翔くんは裸のまま寝ていて。
俺は寝間着姿でベッドに入ったはずなんだけど…
「待って。俺なんで裸なんだっけ…」
「覚えてないの？智くんが俺に抱きついてくるから結局起きちゃって、もう一回しようとしたらあなたが寝ちゃったの」
「そう、だっけ…」
「いろんなとこ触っても、んー、としか言わないんだもん」
「っ…いろんなとこって、」
想像したら体が熱くなった。
その反応を見るなり、すっかり目を覚ました翔くんは口角を上げる。
「どこ触ったか教えてあげようか？」
「なっ…やだよ！絶対やだ！！」
「昨日、こんなとこ翔くん以外に触らせない！ってかわいく言ってたのに？」
「そんなの、嘘…」
「覚えてないならもっかい言わせてあげる」
「やっ…、」
久しぶりの休みなのに、簡単には寝かせてもらえないようだった。
甘えようと思っても、やっぱり俺には無理。
それ以上に彼の言葉が甘すぎて、恥ずかしくなってしまうから。
今はまだ大丈夫。
体が温かいうちはまだ、安心していいのかなって思った。
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京(プロフ) - 富喜田さん» そう言ってくださって嬉しいです！がんばります！！ (2020年7月12日 18時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 何度もすいません。 すごく心に突き刺さりました。 大好きです！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» はい、ありがとうございます！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 面白かったです！ これからの進展楽しみにしてます。 頑張ってください。 (2020年7月8日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月7日 17時
