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なんで？って思った。
そこには、先ほど喧嘩したばかりの翔くんが、インターホンの傍らに立っていたのだから。
「雅紀、どういう…」
「喧嘩して家出るのは今日で最後！ちゃんと自分たちで話し合って、それでもダメなら俺のとこおいで？」
雅紀は穏やかな口調で俺の頭を撫でながら言った。
顔１個分はある身長差のせいか、まるで頼りがいのある親戚のお兄ちゃんだ。
迷惑かけてしまった罪悪感と、優しさのせいで胸の中がチクチクする。
それでも彼と二人きりになるのが不安で、なかなかドアの前から離れずにいると、翔くんが動き出した。
「ありがとう、雅紀。遅い時間にごめんね」
そう言いながら、ぐいっと肩を抱かれる。
セットしていない髪からふわっとシャンプーの香りがして、少し安心してしまう自分がいる。
嬉しい。こうして迎えに来て、変わらず抱き寄せてくれるところが。
それだけで、さっきまで怒っていたことなんか忘れてしまいそうで。
もしかしたら、雅紀の言う通り、ただ甘えるだけで解決していたことなのかもしれない。
俺たちは雅紀に謝りつつ別れると、徒歩40分程度の自宅まで真夜中にも関わらず二人で歩いた。
雅紀はほぼ隣の駅に住んでいて、行くときは下り坂で近かったけど、帰りは上り。
翔くんは自転車で追いかけたみたいで、隣でギコギコと押し歩いている。
何も言わず、ときどき車のヘッドライトが照らしながら、大通りをひたすら歩いた。
街は夜中なのにまだ眠らない。
大学の近い学生の街だから、若い女の子だって2時過ぎにも関わらず、スマホをいじりながら歩いてる。
夏の夜風が涼しくて目を細めた。
「さっきはごめん」
最寄り駅までの坂の途中で、翔くんはぽつりと口にした。
「俺も、ごめん」
どちらかから言い出さないといけないことだったから、俺は驚きもせず返す。
ちらっと彼のほうを伺うと、真っ直ぐ前を見たままだった顔をこちらに向ける。
車のライトに照らされた翔くんの顔は、やっぱりかっこよかった。
のろけじゃないけど、本当に本当に、どうしてこの人が俺なんかの恋人なんだろうって思うくらい、すごくかっこいいと思った。
そんなことを考えていたら、自然と手が彼のほうへと伸びた。
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京(プロフ) - 富喜田さん» そう言ってくださって嬉しいです！がんばります！！ (2020年7月12日 18時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 何度もすいません。 すごく心に突き刺さりました。 大好きです！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» はい、ありがとうございます！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 面白かったです！ これからの進展楽しみにしてます。 頑張ってください。 (2020年7月8日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月7日 17時
