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「智、今日一緒に帰ろうよ」
「えっ、でも、いいの…？」
「電車より楽でしょ？行こう」
カズは俺にヘルメットを渡して、先に店を出る。
追いかけようとすると、店長が裏から出てきて肩を叩いた。
「あ、お疲れさまです…」
「もう付き合っちゃえば？」
「えっ？」
「彼、ジャズやめるんだよ。うちでの演奏が最後。もう店では会えなくなるから、先にゲットしておいたほうがいいかもよ」
「そうなんですか…？」
「次何をやるのかわからないけどね。智くんとカズくんお似合いだし、店長は絶対いっちゃったほうがいいと思うなぁ〜」
将来化けるかもしれないし。
そう残してまた裏へと戻っていった。
…カズ、ジャズやめるんだ。
確かにジャズって感じじゃなかったもんな。
てことは、来週で最後？
いやいや、LINEも知ってるし。
会おうと思えばいつでも会えるし。
それに、俺には翔くんがいるし。
平常心を装って、すぐに彼を追いかけた。
バイクだとあっという間だ。
彼も俺の社畜ぶりは知っているから、無理させてはいけないと足早に家まで送り届けてくれた。
おかげでいつもよりもずっと早く家に着くことができた。
「いつもありがとね。助かった」
「別にこのくらい。夜襲われたりされるほうが嫌だしね」
「誰も男なんか襲わないよ！」
冗談かと思って笑っている俺とは対照的に、カズの表情はいたって真剣だった。
「襲うやつだっているよ？俺みたいに」
「え…あっ、」
ふわっと体が柔らかく包み込まれる。
すると、目の前が暗くなった。
息が苦しくて、唇が熱い。
待って、これってもしかして…。
あまりにも突然のことに固まったまま、気づけばまた辺りは明るくなって、目の前にビー玉みたいなキラキラした瞳が目に入った。
「ま、襲いはしないけどね」
何をされたのかだんだんと理解してきて、顔面がカッと熱くなった。
今、俺、カズに…キスされた。
「なっ…な、何して…！」
「あれ、だめだった？」
「だ、だめって、だって…」
どうして？
俺に恋人がいることは知ってるはずなのに。
どうしてキスなんかするの？
頭が混乱して言葉に詰まっていると、後ろから何かが落ちるカンカン、と音がした。
誰かいる！？
そう思って振り向くと、俺は心臓が爆発しそうになった。
そこには、仕事が終わって帰ってきたのであろう、翔くんがいたのだから。
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京(プロフ) - 富喜田さん» そう言ってくださって嬉しいです！がんばります！！ (2020年7月12日 18時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 何度もすいません。 すごく心に突き刺さりました。 大好きです！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» はい、ありがとうございます！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 面白かったです！ これからの進展楽しみにしてます。 頑張ってください。 (2020年7月8日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月7日 17時
