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初日は週始めにも関わらず、大盛況だった。
月曜の夜ってなぜか売れるんだよね〜なんて店長も嬉しそうだった。
演奏もバッチリで、最後の曲とかリハーサル含め５回くらい聴いたから覚えてしまった。
ステージが終わったらまたしばらくはお客さんの時間。
夏休み期間中は昼営業もあるので一律２３時まで。
普段より少し早く帰れるが、昼営業があるので寝て起きたら仕事だ。
「お疲れ」
お店の片付けを終えると、後ろから声をかけられた。
振り向くと、二宮さんがグラスを差し出していた。
「あっ、俺お酒は…」
「ノンアルだよ。俺も飲まないから」
「そうなんですか？」
「バイクなんだよね。飲みたいけど我慢」
彼はバーカウンターに座り、グラスに口をつける。
いいのかな、と控えめに隣に座った。
「智って、なんでここで働いてんの？」
「…えっ？」
今、智って言った…。
二宮さんが名前で呼ぶなんて。
この心境の変化はいったい何なのだろうか。
「俺は友達の紹介で…」
「学校は？」
「フリーターです」
「そうなんだ。俺と一緒じゃん」
「学校、いってないんですか？」
「行ってないっつーか、ギタリストになりたくてそれで食って行こうとしてるんだけど…なかなかね。だから普段は楽器屋でバイトしてる」
「そうなんだ、」
やっぱりみんな、夢があるんだなぁ。
それが普通なのかも。
俺なんて何もない。
ただ働いてお金稼いでるだけ。
バイト自体は楽しいし、みんな優しいし…二宮さんは怖かったけど。
これで生きられるなら全然いいな、とすら思ってしまう。
「ぶっちゃけさぁ、すごいと思うよ。智って」
「えっ、俺？」
「うん。普通ここまでできるようにならないよ。久しぶりに呼ばれて、智のことちらっと思い返したけど絶対辞めてると思ってたもん」
俺のこと覚えてたんだ。
ちょっと意外。できなさすぎて覚えてたのかな。
「でも、辞めるどころかめちゃくちゃ成長しててビビったわ。なんでいつもそんなおどおどしてんの？できなさそうに見せてんの？」
「いや！全然、そういうわけじゃ…！」
「羨ましい。俺もそういう才能欲しい」
才能なら、彼のほうがずっとあるだろうに。
ギターのことは何もわからないけど、ジャズって難しそうだし。
それをそつなくこなしてる姿はかっこいいなって思うし。
何よりギターが大好きなんだなってことが伝わってくる。
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京(プロフ) - 富喜田さん» そう言ってくださって嬉しいです！がんばります！！ (2020年7月12日 18時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 何度もすいません。 すごく心に突き刺さりました。 大好きです！ (2020年7月10日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» はい、ありがとうございます！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 面白かったです！ これからの進展楽しみにしてます。 頑張ってください。 (2020年7月8日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月7日 17時
