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そして３月になり、とうとう卒業の日が来た。
翔くんは首席で卒業して、生徒代表で挨拶をしていた。
雅紀は一日中泣きじゃくっていて、ずっと俺に抱きついていた。
それにつられたのか、何だか俺も寂しくなってきて、二人で抱き合いながら泣いた。
「絶対絶対、卒業しても会おうね…っ、」
「うん。雅紀も、俺のこと忘れないでね…？」
「忘れるわけないよー！！もう、寂しいから毎日翔ちゃんとの愛の巣に押し掛ける！！てか俺も一緒に住む！！！」
「マジでそれはやめてくれ…」
息ができないほどキツく抱き締めてくるもんだから、ぽんぽんと背中を優しく叩いて宥めてあげた。
翔くんと制服姿で路地を歩くのも今日が最後。
そう思うとなんだか寂しくて、鼻の奥がつんとした。
隣にいる彼を見ると、凛々しい横顔が目に入る。
これからこの人と暮らしていくんだ。
楽しみと不安が入り交じって、心にもやもやが渦巻いていた。
「あっ、見て」
指差す方向には、近くの公園に咲いた桜の花。
春って不思議だなぁ。
暖くてほっとする反面、なんとなく寂しい気持ちになる。
風で舞う無数の花びらを眺めていると、手に温もりを感じた。
翔くんのほうを振り返ると、綺麗な前髪が靡いていた。
「ねぇ、翔くん」
「ん？」
「ずっと思ってたんだけど…これから一緒に住むってなったら、俺たちってやっぱり、その…」
「なに？」
言葉に詰まる俺に優しく笑いながら問いかける。
「っ、その、やっぱり、付き合ってる…ってことでいいの？」
「…えっ？」
「えっ？」
好き、っていうのと、付き合うっていうのは違うよね？
好きだから一緒にいたいけど、付き合ってるから一緒にいたい。
そういう名目でいられるなら、これからそうでありたい。
「ふふっ、今更すぎない？もう付き合ってるかと思ってたけど」
「だっ、だって…そういうのまだ言われてなかったかなって…」
「なら、今言うよ」
「あっ…」
翔くんは腕を引いて、そっと体を包み込む。
「智くん、俺と付き合おう」
やっぱり、彼の体温は落ち着く。
上から降ってくる優しい声は、何度だって聞いていたい。
これだけで、心から好きだって思える。
「…うん、」
胸の中で小さく呟いた。
聞こえなくたってわかるよね。
だって心は、こんなに好きって感情で溢れてるんだから。
【高校生編】おわり
お話いっぱいになったので、
次から大学生編になります。
いろいろと盛りだくさんでいきます。
お楽しみに！
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富喜田 - めっちゃよかったです。 本当に1日の楽しみです！ 大学生編頑張ってください。 この話に出てくる大野さん すごくタイフです。 (2020年7月7日 17時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 大学生編！？ めっちゃ楽しみです！ いつまでも待ってます!!! (2020年7月7日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» 富喜田さん、ありがとうございます！！まだ大学生編と続くのでぜひ楽しみにしていてください！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 本当に最高です！ 続きがとっても楽しみです！ 頑張ってください。 応援しています!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 猫さん» 猫さん、ありがとうございます。頑張る糧にいたします！ (2020年6月25日 0時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年6月22日 0時
