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「智くんには智くんの人生があるから、チャンスを逃してほしくないし、あなたの才能は世界でも認められるべきだと思うから、もし迷ってるのなら行ってほしい」
だめ、それ以上言わないで。
それ以上言われたら、泣いてるのを隠しきれないから。
「っていうのは表向きの答え」
「え…？」
パッと顔を上げると、照れくさそうに視線を反らす彼の姿があった。
「本当は、全然行ってほしいだなんて思わない。智くんと離れるなんて考えられないし、もし行くって言われたらこの場で繋ぎ止めておきたいくらい…そのくらい、これからもあなたとずっと一緒にいたい」
「翔、くん…」
「かっこつけようと思ってたけど、智くんの言葉で全部どうでもよくなっちゃった」
翔くんは雲ひとつない冬空を仰ぐ。
やっぱり、よかった。
この人を好きになって、信じてよかった。
でも、これからどうする？
これが真っ当な理由だとは思えないけど、両親を納得させるには本当のことを言うしかない。
その覚悟は俺たちにあるのだろうか。
「俺たちもう一緒にいてどのくらい経つかな？」
「わかんない。夏には一緒にいたよね」
「そうだね。でもさー、ほんと不思議だよね。夏からずーっと智くんのこと抱きしめたりキスしたりしてるのに、一分一秒でもそうしたくない、なんて思ったことないんだもん」
「っ、な、なに言って…」
翔くんはときどきびっくりするくらい恥ずかしいセリフを平気でこぼす。
俺が恥ずかしがるのを見て楽しんでいるのもあると思うけど、やっぱり本心から出てくる言葉なのだろう。
「ねぇ、智くん。一緒に暮らさない？」
「えっ…？」
「どうせ春から大学の近くで一人暮らしだし。それだったら、一緒に住めるところ探そう」
「そ、んなの…できるかどうか、」
「智くんが本当に後悔しないんだったら、俺はっきり言う。絶対にアメリカに行ってほしくない。でも少しでも後悔するのだったら話しは別。それを決めるのは、智くんだよ」
真剣な眼差しが本気である証拠だった。
後悔なんて…どちらにしたってすることになるかもしれない。
でも、そのどちらかを選べるのだとしたら。
俺は、自分自身を信じたい。
「俺は、翔くんと…」
ようやくマフラーを下げて言った言葉の意思は固く、はっきりと静かな住宅街に響いただろう。
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富喜田 - めっちゃよかったです。 本当に1日の楽しみです！ 大学生編頑張ってください。 この話に出てくる大野さん すごくタイフです。 (2020年7月7日 17時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 大学生編！？ めっちゃ楽しみです！ いつまでも待ってます!!! (2020年7月7日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» 富喜田さん、ありがとうございます！！まだ大学生編と続くのでぜひ楽しみにしていてください！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 本当に最高です！ 続きがとっても楽しみです！ 頑張ってください。 応援しています!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 猫さん» 猫さん、ありがとうございます。頑張る糧にいたします！ (2020年6月25日 0時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年6月22日 0時
