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困ったなぁ…と思いながら翔くんとのLINEのトークを見つめる。
あのあと両親には、行きたくないならそれ相応の理由が必要だと言われてしまった。
俺は書道家になりたいわけではない。
かといって、何になりたいのかはわからない。
もう高校３年生。
適当に過ごそうだなんて思っていた数年前とは違う。
自分で、真っ当な人生を生きなければならない年齢なんだ。
凍えるような冷たい風が顔を刺す。
俺は思いっきりマフラーで顔を隠して、できるだけ風が入らないよう肌を埋めつくした。
「智くん？」
「ん？」
翔くんを家の前で待っていると、ひょっこり顔を出した。
「顔隠れて全然見えないよ！完全に怪しい人じゃん！」
「だって寒いんだもん…」
「えー、顔見せてよ」
ぐいっと目元まで隠れたマフラーを下に降ろす。
翔くんは現れた俺の顔を見て優しく笑った。
「かわいい。赤くなってる」
「っ、ちょ…」
そう言って、寒さで真っ赤になった鼻に突然キスをされた。
きょろきょろと辺りを見渡すが、誰も見ていない。
「恥ずかしいからやめてよ」
俺はマフラーを元の位置に戻す。
「あれー、なんで隠しちゃうの？」
「…寒いから」
うそ。
鼻だけじゃなくて、顔中真っ赤になったからだ。
ねぇ、翔くん。
翔くんが好きっていう理由だけで、俺はこのまま一緒にいてもいいのかな。
もしアメリカの話を聞いたら何て言う？
止めてくれる？それとも、好きなようにしろって言う？
俺がどっちを求めてるか、翔くんはわかるのかな。
結局言えなかった。
何日も何日も言えなくて、気がついたらもうすぐ年末。
どうにかなるだろうって、心のなかでは思っていたのかもしれない。
だから考えるのは後回しにしようとしていた。
でも、いつかは現実のことになる。それはわかっていても、言い出せなかった。
翔くんが、俺の求める答えを言ってくれないと思うと怖かった。
「行かないで」
それだけを聞きたいのに、優しい彼はきっと別の言葉を口にする。
そのとき俺は、
「行きたくない」
ってはっきり言えるのだろうか。
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富喜田 - めっちゃよかったです。 本当に1日の楽しみです！ 大学生編頑張ってください。 この話に出てくる大野さん すごくタイフです。 (2020年7月7日 17時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 大学生編！？ めっちゃ楽しみです！ いつまでも待ってます!!! (2020年7月7日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» 富喜田さん、ありがとうございます！！まだ大学生編と続くのでぜひ楽しみにしていてください！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 本当に最高です！ 続きがとっても楽しみです！ 頑張ってください。 応援しています!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 猫さん» 猫さん、ありがとうございます。頑張る糧にいたします！ (2020年6月25日 0時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年6月22日 0時
