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「っ、だって…好きなんでしょ？あの子のこと…俺、無理だよ…勝ち負けじゃないけど、あんなかわいい子いたら、勝てるわけないじゃん…、」
「智くん…」
３歳児みたいに人目も憚らずただただ泣き続ける俺に、呆れたようにため息を吐いた。
「何と勘違いしてるか知らないけど、あいつのこと好きだなんて言ってないよ」
「うそっ…だって、さっき…！」
「それは、友達として。でも言ったよ、ちゃんと」
「なにを…？」
翔くんは、いつものあの優しい笑顔で言った。
「俺には好きな人がいるって。誰よりもかわいくて、誰よりも優しくて、みんなに好かれる俺にはもったいないくらいの人が。ってね」
「へぇ…？」
そんな人がいるのか。
じゃあやっぱり俺のことは２番手…いや５番手くらいだったのかな。
そりゃそうだよね、翔くんモテるし。
ぽかーんと口を半開きにしたまま見上げてると、彼はぷっと吹き出した。
「へぇ、じゃないよ！智くんのことだよ？」
「えっ、俺…？」
「当たり前じゃん！他に誰がいるんだよ」
「だって…どれも当てはまらないんじゃ、」
そう言うと、翔くんは指で涙を拭った。
「智くんが気付いてないだけで、あなたにはたっくさん魅力があるんだよ」
「そうなの…？」
「人を惹き付ける魅力がね。むしろ常に危機感持ってるのは俺のほうなんだけどなぁ」
なんでわかんないかなぁ、なんて冗談混じりに笑っている。
よくわからないけど、大丈夫だったってこと？
俺はまだ、翔くんの一番でいられる？
「あっ、見て」
花火はフィナーレを迎える。
パンパンとひっきりなしに夜空いっぱいに花が咲く。
花火ってこんなに綺麗だったんだなぁ。
気づけば涙は引っ込んでいて、不意に手が温もりに包まれた。
翔くんを見ると、花火の光に照らされて、透き通るような肌が余計に輝いて見えた。
俺たちは向かい合い、お互いを見据える。
「思ってたのと違ったかもしれないけど、今なら二人きりだよね」
「あっ…しょうく、」
唇が重なりあった瞬間、今日一番の大きな音を立てて花火が上がった。
あーあ、最後の尺玉見逃しちゃったじゃん。
でもね、その割れたあとの光が空から降り注いで、まるでライトアップされたみたいで。
きっとみんな花火に見入ってたから、俺たちのことなんか気づいてないだろうけどね。
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富喜田 - めっちゃよかったです。 本当に1日の楽しみです！ 大学生編頑張ってください。 この話に出てくる大野さん すごくタイフです。 (2020年7月7日 17時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 大学生編！？ めっちゃ楽しみです！ いつまでも待ってます!!! (2020年7月7日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» 富喜田さん、ありがとうございます！！まだ大学生編と続くのでぜひ楽しみにしていてください！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 本当に最高です！ 続きがとっても楽しみです！ 頑張ってください。 応援しています!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 猫さん» 猫さん、ありがとうございます。頑張る糧にいたします！ (2020年6月25日 0時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年6月22日 0時
