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「ねぇ雅紀。翔くんは？」
「ん？あぁ、あの子いるじゃん。翔ちゃんと仲良い。あの子と買い出し行っちゃったよ」
「えっ…？」
うそ…二人きりで？
俺はちゃんと二人きりになれるチャンスを待ってるっていうのに、翔くんはあの子と二人きりになるの？
もやもやと胸中に黒い影が渦巻く。
でもいけない。ここで嫉妬したら、きっと一番めんどくさいパターンになる。
戻ってくるのを待って、それで、一緒に花火見て…。
翔くんがあの子にかわいい、って言ったことを思い出す。
翔くんの優しい笑顔。女の子の嬉しそうな顔。
やっぱり、やっぱり俺は…。
「俺、ちょっとトイレ！！」
「あれ、お酒飲みすぎちゃった？混んでるから気を付けてよ！」
「うん、ありがとう」
そうだ、俺お酒飲んだんだよなぁ。
トイレなんて嘘だけど。
人混みを掻き分けていくうちに、なんだか体がフラフラしてくる。
熱くなって、少し汗ばんで、いやに花火の音が耳につく。
こんな人混みの中探しに行って何がしたいんだろう。
バカみたい。
翔くんには翔くんの世界がある。
それはわかりきってたことなのに。
やっぱり大勢でいると、気になってしまう。
二人きりでキスしたときが嘘のように、彼が別人に見えてしまう。
花火が死角となった薄暗い奥まった場所へたどり着く。
ここの近辺はトイレも空いてるみたいで、ほとんど並んでいない。
なんだか疲れてしまって、木に寄りかかった。
すると、後ろから聞き覚えのある声がする。
ハッと振り向くと、そこには浴衣の女の子と、俺が頭のなかでずっと探していた彼の姿があった。
二人は人里離れた場所で向かい合っている。
「ねぇ、わかってるでしょ？私、翔くんのこと好きなの」
…え、何。
えっ！？告白？
「だから付き合って！高校最後の年だし…悔いのないようにしたいの。お願い！」
女の子に頭下げさせるなんて…さすがモテるなぁ。
お酒が入ったこともあり、俺の思考は完全にお花畑。
でも、次の言葉ですぐに現実に引き戻された。
「ありがとう、俺も好きだよ」
翔くんが言った。
頭が真っ白になった。
彼は頭を掻きながら何か話し続けている。
でも、俺にはそれ以上聞こえなかった。
花火の音のせいで、かき消されてしまったのだから。
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富喜田 - めっちゃよかったです。 本当に1日の楽しみです！ 大学生編頑張ってください。 この話に出てくる大野さん すごくタイフです。 (2020年7月7日 17時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 大学生編！？ めっちゃ楽しみです！ いつまでも待ってます!!! (2020年7月7日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» 富喜田さん、ありがとうございます！！まだ大学生編と続くのでぜひ楽しみにしていてください！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 本当に最高です！ 続きがとっても楽しみです！ 頑張ってください。 応援しています!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 猫さん» 猫さん、ありがとうございます。頑張る糧にいたします！ (2020年6月25日 0時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年6月22日 0時
