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「どっかでつまずいた？」
「うん…ここがわからなくて」
「あー、これはね、方程式覚えれば簡単だよ」
すっと腰を俺のほうへずらす。
急に目の前に来た彼の横顔に心臓が跳ねる。
「例えばね…ちょっと借りていい？」
「あっ…」
櫻井くんがペンを奪おうとすると、微かに指先が触れ合った。
動揺したせいで、ペンが机に転がる。
ごめん、と口を開こうとした瞬間、彼と目が合った。
「大野くん、」
「な、なに…？」
「顔、赤い」
「えっ！？」
温かい手がさらに熱くなった頬に触れる。
心臓が爆発しそうになりながら次の言葉を待った。
「ひょっとして、大野くんも具合悪いの？」
「えっ、あ…ち、ちがう…」
「でも、すごく顔熱いけど」
「違うの…！あの、その…」
大きい目で見つめられ、言葉がうまく紡げない。
頬に手を当てられたまま固まっていると、ガチャッと部屋のドアが開いた。
「櫻井くーん、弟くん起きたわよ！」
帰り道。
母親に送って行ってあげなさい、と言われ仕方なく腰を上げた。
弟はすっかりげんきを取り戻したようで、俺たちの少し前を歩いている。
櫻井くん家は俺の家から歩いて５分程度で思った以上に近かった。
「今日はありがとうね。お父さんとお母さんにもすごくよくしてもらって…」
「いや、全然…俺も勉強教えてもらったし」
「また何かあったら聞いてもらっていいから。俺の連絡先知ってたっけ？」
「あっ、と…知らない…」
「じゃあ教えるね」
弟はすぐに家の中へ入ってしまって、玄関先には俺たち二人だけ。
震える手で携帯を持ったまま彼の指の動きを見ている。
「これ。登録しておいて」
「い、いいの？」
「え、なんで？ダメとかあるの？」
櫻井くんは笑いながら言う。
「だって、俺なんかが櫻井くんと仲良くして…なんていうか、住む世界も違うし、対等に話せるような存在じゃないっていうか…」
そこまで言ってハッと口に手を当てた。
卑屈な部分が出てしまった。
こんなこと言ってはせっかくの好意をマイナスに受け止めたことになってしまう。
謝罪の言葉を言おうか迷っていると、彼が先に口を開いた。
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富喜田 - めっちゃよかったです。 本当に1日の楽しみです！ 大学生編頑張ってください。 この話に出てくる大野さん すごくタイフです。 (2020年7月7日 17時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 大学生編！？ めっちゃ楽しみです！ いつまでも待ってます!!! (2020年7月7日 6時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 富喜田さん» 富喜田さん、ありがとうございます！！まだ大学生編と続くのでぜひ楽しみにしていてください！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
富喜田 - 本当に最高です！ 続きがとっても楽しみです！ 頑張ってください。 応援しています!! (2020年7月6日 17時) (レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 猫さん» 猫さん、ありがとうございます。頑張る糧にいたします！ (2020年6月25日 0時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年6月22日 0時
