未来を見て、 (ページ16)

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じゅうごページ16

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事件は起きた。

神山先生がいない。

神山先生がいないと、大惨事になる可能性がある。

紫「お前あっち行け、俺こっち行くから、」

子供たちには神山先生はみてへんか聞くけど、皆みてへんと首を傾げる。

『神山先生おらんの！？なぁ、！』

神山先生の事が大好きな子は半泣きでついてくる。

赤「大丈夫、待ってて？」

屋上の扉をバン！と開けるとべちゃべちゃでベンチに座っている神山先生。

すぐ白衣を掛けると、

緑「僕は雨が大好きです。お兄ちゃんが戻ってくる気がするからです」

神山先生の過去は知らない。

緑「雨は僕の友達です」

淋しい過去を抱える。こんな辛いものはない。

大好きだから、信じてる。

心の中で信じてる。

真っ白な神山先生に穴を開けた親達を許せない。

紫「お前ら、ホンマ…！はよこっち来い！」

べちゃべちゃの俺らはタオルで拭かれ

毛布を掛けられる。

二人きり。神山先生が口を開いた。

緑「重岡先生は雨が好きですか？」

赤「ん～ま、嫌いではないかもなぁ…」

曇りよりはええで、曇りは嫌い。

ガチャ、とドアがあくと濱田先生がココアを二つ差し出した。

二人で飲め、と言うことだろう。

ココアを飲めば、

甘く、口に広がった。