呼び覚まされた記憶 2nd ページ10
「あの噂は本当だったのか...」
顎に手を添えながら呟く
『あの噂?』
「ジンに妹が居るって事。噂だから知らないやつの方が多いし、寧ろ架空の人物だと思ってた」
何それ、私一種の年伝説扱い?そんな怖いものじゃないけど。普通の女子高生だし
顎から手を離すとうって変わって人懐っこい笑顔を向けてくる
「俺はスコッチ。君は?」
『Aです』
「Aか、よろしく。ジンとあまり似てないんだな」
屈託のない笑みを浮かべながら笑うスコッチ
冷めた表情だったり、焦ったり、絶望したり、眩しい笑顔だったり
出会って数分で色んな顔を見せる彼に調子狂う
「今日平日だけど学校は?サボり?」
『貴方に関係無いです。そっちこそ何しに来たんですか』
「んー??ひ・み・つ」
うわ痛い。そんな言い方されて聞く気失せる。どうせ兄絡みで訪ねて来たんだろうし
「サボりは黙っててあげるからさ、さっきの事二人の秘密にしててくれない?」
『語弊です誤解を招く言い方止めて下さい。別にそんな事頼んでませんし、誰かに言うつもりありませんよ』
呆れて溜め息をつく
「溜め息は幸せ逃げるよ」
『迷信です。それに溜め息には深呼吸と同じで自律神経を整える効果があるんですよ』
そうなのか!とわざとらしく溜め息をつきまくる彼。バカ正直過ぎて受け取り方間違えてない?
もう一度溜め息。この人相手にしたら疲れる。早く仕事しなよ
「組織で見たこと無いけど、いずれ入る予定なのか?」
『いえ。そんな空気漂わせた事兄も私も無かったので』
兄とは組織関連の話をしないから入る事も入らせる事も無いだろう
『貴方は何で組織に入ったんですか』
見るからに悪人面では無いし人をあやめるイメージもつかない。組織とは疎遠そうな人間なのに
「...色々、あるんだよ」
途端に顔に影が忍ぶ。どうして悲しそうな表情するのか理解できない
不謹慎だけど、コロコロ変わる表情に思わず吹き出してしまった
『くっ...ふふっ。あはは!!』
「何急に」
『さっきから表情変わるから面白くてつい...ふふっ』
笑い過ぎてお腹痛い。流石に不謹慎だったかな、と涙目になりながら謝ろうとした
すると急に手が伸びてきて涙を溜めた目元に指を添え拭う
「笑ってる方がいい。君に組織のような影は似合わない」
優しく目を細め唇が弧を描く
「ははっ、照れてる」
『っ、照れてない』
最後に頭を人撫ですると「学校ちゃんと行けよ」と言葉を残して去っていった
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礼 - 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続き書いてほしいです(泣) (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…!! (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続編お願いします!!!!!!!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2018年11月10日 6時