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呼び覚まされた記憶 ページ9

『私、この人に一度だけ会った事あるんです』

本当にたった一度。それでも忘れられないぐらい衝撃的な出会いだったから





***

1、2年前ぐらいだっただろうか。ある日の朝

初めて両親が既に存在しない事を兄に知らされた

両親と何らかの理由で会えない状態なのだと今まで思っていた

だが急に告げられた両親の訃報。それも私がわずか1歳の頃だと言う

兄が仕事に行った後一人物思いに耽っていた

_いつか会えると信じてた

親の顔なんて覚えてないくせに何処かで生きてると信じて疑わなかった

本来なら今頃学校に登校する時間

兄も私が学校に行っただろうと思ってるかもしれないがそんなのどうでもいい

ただ刻一刻と時間に身を任せていた

すると玄関先から聴こえるガチャガチャと開ける音

お兄ちゃん?忘れ物でもしたのかな

でもわざわざ出迎える気力もなく、ボーと椅子に座ったまま

何で学校行ってないのかって問いただされるんだろうな、なんて頭の隅で考えていたその時

「お嬢さん、何してんの?」

後頭部に固い何かが押し付けられる

_拳銃だ。いきなりの事に頭が追い付かない

声からして男性だろうが背後にまわっているため顔が分からない

『...誰ですか』

「それはこっちの台詞だけど?ここは君が入るような場所じゃないよ」

...はい?不法侵入してきた側が言える事じゃないと思うけど。というか本当誰

ゆっくりと拳銃が離れたのを確認して後ろを振り向く

そこに居たのは顎髭を生やした男性

「こんな所で何してるの」

『自分の家で寛いでちゃ悪いですか』

両親の件をさっき知って、この人に銃口押し付けられてで気分が悪かった

「ここは君とは違う世界の人間が暮らしている家だよ」

何言いたいのこの人。違う世界って何処よ、二次元とかトリップとか?

『ここは私の家だって言って...』

「組織の人間の家だよ」

この人組織を知ってる。だとしたら組織の人間?

私がジンの妹って知らないのかな

でもね。言葉重ねてくるわ、冷めた目で見てくるわで気分を害される

『だから!!私とジンの家だって言ってるの!』

話を聞け!!と浴びせながら発した言葉は静かに溶けていった

男の顔は唖然として開いた口が塞がらない状態

「...ジンと知り合い?」

『妹』

ただ一言淡々と告げると絶望的な顔に変わっていくのが面白くて。いきなり土下座し始めるし

「この事は内密に!!」

先に謝れよ、と思いながらも憎む気持ちになれず顔を上げるよう促す自分がいた

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- 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き書いてほしいです(泣) (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…!! (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編お願いします!!!!!!!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リンドウ | 作成日時:2018年11月10日 6時

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