攻防戦の決着 ページ23
赤井side
安室君が去った後俺の元に来るA
「もう終わったのか?」
『はい。この後本庁で集合がかかっているらしくて』
本庁、か。自身の正体を明かしたんだな
木の幹に寄り掛かって彼女に目を向ける。風に揺れる黒髪。端正な顔立ち。何より優しい瞳
_やっぱりあいつを思い出す
「俺には恋人がいたんだ。自分よりも他人の事ばかりで、俺が騙していたにも関わらず最後は受け止めてくれるやつだった」
Aにあいつを重ねた事は否定しない。でも似てると当初感じていたものが、今じゃ全然違う
AはAだ
「...男が女に元彼女の話をする意味知ってるか?」
『いえ、分かりません』
他人の恋愛沙汰なんて聴いても面白く無いのにAは真剣に聴いてくれた
「自分の事を知って、受け止めて欲しいって意味だ」
壊滅を目指すにあたって忘れられない人がいる。それはお互い様だろ?
「攻防戦は最初から決まってたのかもな」
俺と安室君がいくらAにアタックした所で眼中にも入ってなかった訳だ
お前の中にはいつもジンがいたんだから
俺はジンに負けたんだな、と思うと少し笑ってしまった
「好きだと言っても揺れ動く事がなかったんだ。そうだろ?」
『冗談が過ぎたんですよ。...でも、嘘をつかせてごめんなさい』
こいつは他人から、ましてや俺や安室君から好かれてるなんてミジンコ程度にも思ってないだろう。本当、鈍感なやつ
これじゃいくらアタックしても、知らない内にかわしてるんだろうな
秋晴れの空を見上げる。雲一つ無い青空は攻防戦の決着を着けるのにふさわしい程清々しい
「攻防戦の終了だ」
俺が呟くとAはハテナを飛ばしながらこちらを真っ直ぐ見ていた
「_俺らの負けだよA。壊滅決行日、俺は死なないと約束する」
小指を差し出し指切りをするよう得意気な顔で微笑む
それを見て小指を出し俺の指に絡め、指切りをした
指切りなんて久しぶりだな
指切りするぐらい約束を守りたい人がお前で良かった
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礼 - 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続き書いてほしいです(泣) (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…!! (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続編お願いします!!!!!!!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2018年11月10日 6時