攻撃高めたトリプルフェイスとスナイパー、防御固めたジンの妹ことこの私【名探偵コナン】

救世主 ページ9

「Aさんって不思議だよね」

『そう？』

「うん。いつもポーカーフェイスなのに事件の可能性が絡むと殺気立ってるし。それぐらい二人の事考えてるって事でしょ？

なんかもうただのいい人にしか見えないよ」

誉められてるのかなこれ。うん、そうしとこう

いい人にしか見えないって今までどんなイメージだったんだ私。悪女的な？

「でもどうしようか。居場所が分からない事にはなぁ...」

そうだ居場所が分からない事には始まらない

今は一秒も時間が惜しいのにここで足止め食らうなんて

「Aさん、ここから僕達二人で探すのには無理があるし危険性がある

誰か大人を携帯で呼ぶから少し待ってて」

『分かった。何かあったら呼ぶね』

雑木林をぐるっと見渡す

手掛かりになるものなんて何も無い

でも公園から離れたこの場所に灰原ちゃんの携帯があるのはおかしい

コナン君が誰かに連絡してる姿を見ながら頭を抱えていると何かが迫ってくるような姿が見えた

『...何あれ』

どんどん近付いてくる物体にコナン君も携帯から耳を離さず振り向く

その正体は...

『犬？』

嬉しそうに尻尾を振りながら私の前で座るその犬は柵に繋がれていた筈。リードが外れたのかな

しゃがんで頭を撫でる

『君のご主人様何処に居るか知らない？』

聞いても無駄かもしれないけどご主人の匂いとか分からないかな

ああ、でもそれは警察犬か

「ワン！」

すると元気よく立ち上がり、こっちと言うように私を見た後駆け出した

『えっ、ちょっと！？』

ついて行くべきなのかな。でも私の方を見ては早く、と言う様に尻尾を振っている

...信じよう。今は何かにすがるしかない

それにこの犬について行けば二人の場所を教えてくれる気がする

私犬と通じ合えるかも。犬よりの人間になりそう

でもコナン君はまだ電話中だ

どうしようかと視線を投げ掛ければ

「すぐに追い付くからAさんは先に！」

『任せて！』

踵を返して犬の後を追うように奥へと進んだ

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