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よんじゅうよん ページ44

貴「お邪魔します…」
モトキ「どうぞー」

退院したAさんを
1人にしておくのは怖すぎるので

俺の家に泊まることになった
着替えだけ持ってきて

半同棲、みたいな?
モトキ「たまにメンバー来て撮影するけど気にしないでね」

まぁ、主にザカオなんだけどね
貴「うん、ありがとう」

にこりと笑うAさんを見て安心する
あと何回、この笑顔が見れるんだろ

なんて心配は1週間前に置いてきた
貴「気にせずマサイさんのお家とか行っていいからね?」

モトキ「…うん」
その間に倒れたりしたらどうしよう

やっぱりそんな不安は拭えない
そんな表情を見てか

貴「モトキくんのことを待ってる人は沢山いるから、私と同じようにモトキくんの笑顔が大好きな人がいるから、約束だよ?」

細い小指を俺に差し出す
モトキ「わかった…約束ね」

そっと小指を結ぶと微笑んでくれた
もちろん動画は大好きだ

頑張りたいとも思っているけど
やっぱりAさんも大事で

1人にするのは辛い
どちらも同時になんて贅沢出来なくて

俺ができることは
時間ギリギリまでAさんの傍にいて

終わったらすぐに帰ってくること
それが今思いつく一番の最善策じゃないかな

モトキ「じゃあ、夜ご飯一緒に食べよう」
貴「あっ、モトキくんのご飯食べてみたい」

期待した目を向けられて
断る理由もなく、断るはずもなく

モトキ「よし、何食べたい?」
笑顔で返事した

よんじゅうご→←よんじゅうさん



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作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2020年2月6日 21時

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