透明な君と【Fischer's】 (ページ22)

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にじゅうにページ22

貴「うわぁ…大きいね…」
県内でも大きめの旅館に到着

俺の後ろをひょこひょこ着いてくる
予約している旨を伝えて

鍵を貰うとAさんと一緒に部屋に行く
貴「すごい！ロフトにソファーあるよ」

ニコニコしながら楽しそうに
部屋を見て回ってる

大きめの部屋にしてよかった
改めてそう思う

和洋合体したみたいな部屋で
俺的にはお気に入りだけど

Aさんの様子を見れば
気に入ってくれたみたいだ

ﾓﾄｷ「夕飯まで時間あるから先に温泉入ろうよ」
貴「うん！」

楽しそうに頷いたAさんと移動して
浴場の前で別れた

ﾓﾄｷ「終わったらお互い部屋ね」
きっと俺の方が早いだろうと鍵を預かり

それぞれのれんをくぐると
人の姿はなかった

風呂好きの俺としては
誰の目も気にせず堪能できるので

ﾓﾄｷ「気持ちー」
楽しすぎてる

貴「モトキくーん？」
薄い壁を隔てて聞こえる透き通った声

ﾓﾄｷ「Aさん？そっちも貸切？」
貴「うん、すごく広くて綺麗だね」

弾んだような声が返ってくる
Aさんの家では旅行に行くこともなかったらしいので

すごく楽しみにしていてくれたのも知ってる
貴「連れてきてくれてありがとう」

ﾓﾄｷ「…どういたしまして」
壁を挟んだ会話は

なんだかくすぐったくて
すごくロマンティックだった