検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:35,971 hit

じゅうさん ページ13

大きめのテレビでは今にも崩れそうな
廃ホテルが映っているけど

そんなことどうでもいい
Aさんが俺にぎゅうぎゅうと

くっついてくるんだから
もう心臓破裂しそう

平然を装って画面を見続ける
多分Aさんを見たら押し倒しかねない

理性を保つことに集中していたら
いつの間にか映画は終わってた

モトキ「Aさん、終わったよ?」
貴「…やっぱり、映像がつくと怖いね」

そう言って苦笑いをした
よく聞いてみると

以前に本を読んだらしくて
意外と面白かったから

映画もイケると思ったんだけど
ムリだったらしい

貴「1人で見なくてよかった」
恥ずかしそうに笑うAさんを見ていたら

不意に目が合ってお互いに口を閉ざす
少しだけ沈黙が続いて

引き寄せられるように唇が重なった
何度目のキスだろう

いい香りがして柔らかくて
全然慣れない

一度唇が離れたけど
すぐにその感覚を求める

そんなことを何度か繰り返すうちに
スイッチが入ってしまって

Aさんの服に手をかけた
貴「もっ、モトキくん?何するの?」

真っ赤になった顔でそう問われて
えっ、と間抜けな声が漏れた

不思議そうな顔をするAさんは
ふざけているようには見えない

恋人がいたことはないと聞いていたから
初めてだということは分かっていた

もしかして…
モトキ「知らない…?」

そんな考えが浮かんで思わず声に出た
貴「な、何を?」

首を傾げるAさんに笑いかけて
モトキ「ごめん、何でもないよ?驚かせちゃったね」

へらっと笑って
Aさんから離れた

じゅうよん→←じゅうに



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
設定タグ:Fischer's , モトキ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2020年2月6日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。