透明な君と【Fischer's】 (ページ42)

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よんじゅうにページ42

あれ、珍しいな
病室のドアを開けてそう思った

ベッドの上でイヤホンをつけて
小さく笑っているAさん

いつもは本を読んでいて
沢山の本がベッドに散らかっているのに

そっとスマホの画面を覗くと
俺らの動画を見ていた

片耳からイヤホンを抜くと
やっと俺に気づいたみたいで

貴「わっ、ビックリした…モトキくんお疲れ様｣
そう言って微笑む

ﾓﾄｷ「珍しいね、本じゃなくて動画見てるの｣
貴「うん、久しぶりに見たくなって開いたら止まらなくて｣

あぁ、今日も可愛すぎる…
ｼﾙｸ「Aさん…｣

ﾓﾄｷ「えっ！？シルク！？｣
振り返るとリーダーの姿

更に続いてマサイまでいた
ﾓﾄｷ「何でここに！？｣

Aさんの病気こと話してないのに
ﾏｻｲ「最近お前が撮影終わるとすぐ帰るから｣

ｼﾙｸ「悪いけどつけてきた｣
俺の所為じゃん…

ﾓﾄｷ「Aさん、ごめん…｣
貴「そんな、謝らなくても！こっちこそごめんね｣

顔を上げると悲しそうな顔をしていた
貴「撮影終わってからもゲームとかして遊びたいでしょ？｣

撮影前も撮影後も
いつでも俺たちは遊んでるから

ﾓﾄｷ「ゲームは夜でもできるよ、でも面会時間がすぎたらAさんとは会えないでしょ｣

そっとAさんに笑いかければ
少し複雑そうな顔をしたけど笑い返してくれた

ｼﾙｸ「俺もAさんと話したい！モトキ退けっ！｣
ﾓﾄｷ「えぇ！？なにそれズルいんだけど！｣

ﾏｻｲ「病院ででかい声出すなって｣
笑いを含んだ声にAさんも楽しそうだった