透明な君と【Fischer's】 (ページ20)

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にじゅうページ20

ﾓﾄｷ「どうぞ」
車の扉を開けて助手席に乗ってもらう

貴「ありがとう」
そう言って微笑む

俺も運転席に乗ってハンドルを握った
車レンタルしてよかった

なんて勝手にひとりで安心した
こんな可愛いAさんを電車に乗せたら

何人の男がこっちを見てくることか
ﾓﾄｷ「今日のAさんいつもより可愛い」

なんで？なんて聞いてみると
少し恥ずかしそうに笑って

貴「メイク変えてみたの」
モトキくんに可愛いと思ってもらいたくて…

なんて笑うAさんに撃ち抜かれた
ﾓﾄｷ「元々可愛いよ」

そう言えば顔を真っ赤にする
貴「どこまで行くの？」

ﾓﾄｷ「田舎の方まで行こうと思って」
貴「いいね、素敵」

Aさんと会うのは2週間ぶり
今日の夜はたくさん愛してやるんだって決めた

俺って案外変態かもしれない
…いや、本能だ

自分に言い聞かせながら
目的地までの距離を運転した

貴「モトキくん疲れてない？大丈夫？」
撮影で、ってことはすぐわかった

ﾓﾄｷ「大丈夫、Aさんの為だもん」
そう言って笑ってみせると

そっか、なんて笑ってくれた
ﾓﾄｷ「Aさんってフルーツとか食べれるよね？」

貴「うん、大好きだよ」
俺のことじゃないのに、大好きって言葉に熱くなる

ﾓﾄｷ「よかった、俺も大好きなんだよね」
そう言うと少しフリーズしてから

爆発したので多分同じことを考えたんだろう
そんなAさんが可愛くて笑った