透明な君と【Fischer's】

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ﾓﾄｷ「飛ばしすぎでしょ！」
ｼﾙｸ「悪ぃ！」

大きくて綺麗な公園
何度か来たことがある場所

今日の企画はボール遊び
色々な使い方ができるボールで遊ぶ

シルクが蹴ったボールは見事に弧を描いて
俺らの上を通り過ぎていく

軽々と木々を飛び越えて
向こうに消えたボールを追いかける

あの木の向こうにはベンチがある
人に当たったりしてなきゃいいけど…

そう思いながら広いところに出た瞬間
体に電流が走ったような気がした

ベンチに座った女性がボールを手に困っていた
透明感のある人ってこういう人を言うんだ

そういうのに疎い俺でもわかるほどだった
透けて向こう側が見えそうな白い肌に

ふんわりと軽い黒髪
清楚系代表みたいな綺麗な女性

一目惚れって…
ホントにあるんだ

貴「あっ、このボールあなたのですか？」
俺の存在に気づいたよう

ﾓﾄｷ「す、すみません！当たったりしてないですか？」
女性からボールを受け取って頭を下げる

貴「いえ、足元に転がってきたんですけど…集中してたので何処から来たのかわからなくて」

ふふ、っと上品に笑う
横には文庫本が置いてあった

俺らのことは知らないみたいだった
ｼﾙｸ「モトキー？何してんのー？」

向こうからシルクの声が聞こえて
ﾓﾄｷ「あぁ、すみません！ボールありがとうございます！」

微笑みながら頷いた女性を見てから
シルクたちのところに戻った

ﾏｻｲ「何してたの？」
ﾓﾄｷ「ボール拾ってくれた人にお礼言ってた」

嘘はついてない
うん、ついてない

ｼﾙｸ「人いたのか、当たってない？」
ﾓﾄｷ「うん、足元に転がってきたってさ、俺らのこと知らないっぽかった」

いらない情報かと思ったけど
言ってしまったんだから仕方ない

ﾍﾟｹ「へぇ、俺らもまだまだだね」
ﾏｻｲ「だな、もっと頑張ろうぜ」

そう言いながらゲームを再開した
俺といえば

名前くらい聞けばよかった…
そんな思いが浮かんだ